幹事クリタのコーカイ日誌2006

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8月4日 ● 亀田と「ロッキー」の違い。

 昨日亀田の試合終了後にここに「作られた世界チャンピオン」を書いて、その後24時間、意外なほどこのニュースは世間を賑わせています。まさかここまで注目度が高いとは思いませんでした。みんな亀田ファミリーが好き(アンチも含めて)なんですね。視聴率も40%を超えたし、TBSとしては金一封が出るくらいの大ヒット御礼でしょう。

 しかし、いくら視聴率が稼げたとはいえ、今回のシナリオはちょっといかがなものだったかと思います。亀田はこれで完全にヒールになってしまいました。「勝てば官軍」という計算だったのでしょうが、予想を超えるバッシングに戸惑っていると思います。わずか19歳でこれほどまでに世間から叩かれるのは酷というものです。初めての世界戦で12ラウンドを必死に戦って、挙句にこのバッシング。精神的にかなりきついことでしょう。

 しかも、今後亀田は毎回「疑惑のチャンピオン」として防衛戦に臨むのですから、KO以外の判定勝利では「またかよ」と言われることでしょうし、もし負けでもしたら「やっぱり」と言われて人気は地に堕ちてしまいます。亀田にはもう勝つしか後がないのです。テレビ局はその時になったら使い捨てれば良いと思っているでしょうが、まだ未成年の亀田にとっては厳しく過酷な状況に立たされてしまいました。

 今回のシナリオでは亀田はむしろ負けた方が良かったのです。もちろん、圧倒的な力の差を見せつけて勝つのなら、それはそれで「あり」でしたが、そうじゃないなら善戦して一歩及ばず、僅差で負けた方が亀田はヒーローになれました。「まだ19才、再起をかけて頑張る亀田とそのファミリー」の方がずっと感動を呼ぶからです。

 そして再起戦は高視聴率間違いなし、次回のタイトルマッチは日本中がみんな亀田を応援します。その時なら少々の疑惑の判定でも判官びいきでみんな「よくやった」と言ってくれることでしょう。ファンを味方につけておけば怪しいジャッジも取り沙汰される可能性はぐっと低くなります。

 映画「ロッキー」はなぜ大ヒットしたのか?それはロッキーが最初に負けたからです。それも「勝っていたかも?」という試合内容でありながら負けたのです。しかもロッキーはボクシングで負けながらもエイドリアンとの愛を結実させて人生の勝利を得ました。だからこそ感動を呼んだのです。そして改めて「ロッキー2」で勝って永遠のヒーローになりました。スタローンは人々の心を掴む術をよく知っていました。

 しかし亀田陣営(もしくはTBS)はシナリオを誤りました。もっと「ロッキー」を研究すべきでした。亀田は肉体的にも精神的にも弱さをさらけ出しながら、それでも「傲岸不遜」というキャラクターだけは継続し、疑惑の判定でベルトを手にしてしまったため、もはや周りは敵だらけです。今後のシナリオが難しくなりました。


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