幹事クリタのコーカイ日誌2006

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7月20日 ● 憎まれ口を叩く心理。

 火曜日夜のドラマ『結婚できない男』で阿部寛演じる主人公は、とても偏屈でひねくれた人間です。自分の気持ちを素直に言葉にすることができず、ついつい憎まれ口を叩いては周りの女性を怒らせてしまいます。実は僕も自分でも言うのもなんですが、昔からこの主人公に似た毒舌家でした。特に親しい人間、好きな人間に対してほど毒舌を吐くところがあり、それはいま思うと自分の好意に対する「照れ隠し」なのですが、なかなかそれをわかってもらえることは少なく、いろいろ人間関係で損をしたことがあります。

 30才くらいまでは女の子をよく泣かしました。もちろん恋愛の果てに泣かせたわけではなく、きつい冗談を言って泣かせてしまうのです。僕としては正面切って好意を表現するなんて恥ずかしいし、僕が親しみをもっていることは言わなくてもわかるでしょ、こんなにきつい冗談を言うのも、それを許される親しい関係だからでしょ、と必死に心の中では訴えているのですが、相手にしてみればそれこそ冗談じゃありません。なにせ親しいだけに毒舌も的を射ていて、グサグサと痛いところに突き刺さるのですから。

 男同士ならお互いに「バカ野郎」と言い合っていても大丈夫なところがありますが、同じ方法論で女性に近づくと十中八九嫌われます。何だかんだ言っても女性には優しく気遣いながら接しなければなりません。いくら親しくても年齢とか体型とか微妙な部分をネタにしてからかってはいけないのです。

 そこに気づいたのは30才を越えてからです。遅いと思いますが、気づかないまま40才になってしまった阿部寛(演じる主人公)よりはマシです。だからここ10年くらいの間に僕と知り合った人は「クリタさんってそんなに口が悪いか?」と思うことでしょうが、それ以前からの知り合いなら「本当に口も性格も悪いよね」と思っていることでしょう。

 ただ気をつけていても、時々昔の癖が出てしまって、冗談になっていないきつい冗談を言ってしまうことが相変わらずあります。だいたい口が滑らかになりすぎた時で、「あ、調子に乗りすぎたな」とすぐに気づくのですが、一度口に出してしまった言葉は戻ってこないのが残念なところです。フォローしてももう遅く、相手の顔が引きつっている時は「ああ、つい昔の悪かった頃の地が出てしまった」と自己嫌悪してしまいます。

 それと最近気づいたことですが、憎まれ口を叩く人は、実は自分がきついことを言われると意外と弱いという法則です。むしろ「打たれ弱い」からこそ、自ら攻撃に回っているのかも知れません。弱い犬ほどよく吠えるのです。素直に相手に好意を表明できる「強さ」と言うのは、人間を大きく見せる大事な要素のような気がします。


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