幹事クリタのコーカイ日誌2006

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7月19日 ● 今どきの中学生の読書。

 この春から中学生になったうちの娘は、ますます普通の可愛らしい女の子とはかけ離れた「独自路線」を歩んでいます。カラダはひたすら巨大化し、性格もますます凶暴になっています。ただ小学生の頃と比べて社会性が芽生えたせいか、一応外面を気にして男の子を殴ったり蹴ったりはしていない、どころか、クラスの室長になってまとめ役までしているようです。暴力で言うことを聞かせているのではないかと心配でなりません。

 もっとも室長と言っても決して優等生というわけではなく、家に帰れば「学校嫌い、勉強つまらない、○○うざい」と呪文のように不平不満を繰り返しています。成績もパッとせず、好きで入った吹奏楽部も基礎練習ばかりやらされてつまらないらしく、本当に最近の中学生はストレスが多くて大変そうです。

 そんな娘が唯一マシになったのが本を読むようになったことです。もちろん高校生の息子よりは昔から読書をする子どもでしたが、中学生になってまた読書傾向が変わったようで、最近は中学生にしては妙な本にいろいろ触手を伸ばしています。

 いま読んでいるのがベストセラー『国家の品格』。この本はうちには僕と妻がそれぞれ買ってしまったので2冊あるのですが、それを娘が読み始めました。将来国家のエリートになるような秀才君ならともかく、娘のような凡庸な成績しか取れない平均的中学1年生に内容がわかるのかなぁと不思議に思うのですが、少し背伸びをして読書をするのは良い傾向だと思うので好きにさせています。

 さらにまだ『国家の品格』を読み終わってもいないのに、今度は夏目漱石の『吾輩は猫である』を読みたいと言い出しました。もちろん先日終わったクドカンのドラマ『吾輩は主婦である』に影響を受けたのです。ドラマの原作本ではないのだから全然つまらないかも知れないよ、と断ったのですが、本人が良いというので、仮名遣いが読みやすそうなポプラポケット文庫版を買ってやりました。

 僕が初めて漱石を読んだのはやはり中学生の時。最初は『坊ちゃん』でした。「猫」を読んだのは中学3年だったと記憶しています。今の娘よりははるかに賢い中学生だった僕でも、決して「猫」は面白い本でもとっつきやすい本でもありませんでしたから、きっと娘は挫折すると思いますが、それでも古典的な名作を少しかじるだけでも良いことでしょう。

 最近の中学生は漱石や鴎外はもちろん、芥川も太宰も三島も読まないだろうと思います。30年前の中学生とは読書に関する態度や傾向は全く違うことでしょう。そんな中で娘が『国家の品格』や『吾輩は猫である』を読もうとするのは変わり者でしかありません。もっとも本人はそうやって「変わっている」と言われるのが妙に嬉しいらしく、この先も読了はしないくせに、次々と妙な本を読みたがりそうな予感がします。大河ドラマ以来、新選組にはまっているので司馬遼太郎『燃えよ剣』でも勧めてみようかな。


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