幹事クリタのコーカイ日誌2006

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7月10日 ● 片手バックハンドの輝き。

 ウィンブルドン男子シングルス決勝は予想通り「芝の王者」フェデラーが「土の王者」ナダルを下して優勝しました。これで4連覇。まさに無敵の強さです。ナダルもかなり芝のテニスにフィットしてきましたが、まだまだフェデラーの前では敵ではなかったという印象です。

 ところで男子優勝のフェデラーも女子優勝のモーレスモも準優勝のエナンも、みなバックハンドを片手で打ちます。最近のテニス界ではバックハンドは両手打ちが主流。プロだけではなくアマチュアも若い世代ほど両手バックハンドで、女性にいたっては片手バックを打つ人はほとんど見かけなくなりました。

 テニスをしない人にはよくわからないでしょうが、片手と両手ではかなり差異がありメリットデメリットがはっきりします。一言で言えば両手バックハンドはパワーがあり、片手バックハンドは守備範囲の広さがメリットです。だから非力な女性やジュニアには両手で打つことを教えるので、どんどん両手バックハンドのプレーヤーが増えていくのです。

 しかし昔、僕たちがテニスを始めた頃はバックハンドは片手で打つものでした。プロの世界でこそコナーズ、ボルグ、エバートが両手バックハンドを打っていましたが、それは特殊なもので、スクールに行ってもバックハンドは片手で教えられたものです。だから今の40代半ば以上のプレーヤーは、ほとんどが片手バックハンドを打っていると思います。

 ただ両手に比べて片手バックハンドは難しい技術なので、オジサン世代は、片手のバックハンドを美しく打つほど「技術の高さ」を感じます。特にプロにおいてはバックハンドを片手で打つ選手は大半がテクニシャンでネットプレーも得意な選手が多いため「カッコ良い」としびれてしまうのです。マッケンロー、ナブラチロワ、エドバーグ、サンプラス、そしてフェデラー。みんな華麗なプレーで人気があった選手たちです。

 クルマで言えば、両手バックハンドがAT車で片手バックハンドはマニュアル車のようなものです。扱いやすいというメリットは両手に感じても、やはり「男はマニュアル」みたいな美学として片手バックハンドに魅せられているのです。フェデラーの華麗な強さを見てますます「バックハンドはやっぱり片手だよなぁ」と改めて思ってしまいました。


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