幹事クリタのコーカイ日誌2006 |
7月9日 ● フランスイヤーなるか。 ウィンブルドン女子シングルス決勝、フランスのモーレスモとベルギーのエナンの対決は、モーレスモの逆転優勝に終わりました。フランス人女性がウィンブルドンで優勝したのは81年前のスザンヌ・ランラン以来のこと。まさに歴史的な快挙です。 モーレスモの強みは芝にマッチしたオールラウンドのプレー。決勝戦でも果敢なネットラッシュを繰り返しエナンを常に押し込んでいました。男子ではフェデラーがほぼ完璧なオールラウンドプレーヤーとして君臨していますが、いまの女子ではやはりモーレスモがナンバー1でしょう。あれだけネットラッシュする女子選手を見たのはヤナ・ノボトナ以来ですが、ノボトナが完全にサーブ&ボレーヤーだったのに対し、モーレスモはストロークを打ち合ってもエナンに負けないだけのストローク力を持つ真のオールラウンダーです。 逆にモーレスモがその実力の割に長い間ビッグタイトルを取れなかったのはその男前なルックスとは裏腹な「チキンハート」にあることも明らかでした。地元で普通は有利なはずの全仏オープンをもっとも苦手としているのも、プレッシャーが負担になっているからに他なりません。 しかし、今大会の彼女は違いました。準決勝のシャラポワ戦でも途中で急に弱気になってシャラポワに押されましたが、そこから立ち直って最後は見事に勝ちきりました。決勝ではエナンにファーストセットを奪われて、今までならそのままずるずるといってしまうところを、しっかり切り替えてセカンドセット以降を奪い逆転しました。そこにはチキンのモーレスモはいませんでした。 もしモーレスモが本当にチキンを克服したのなら、今後しばらくは長期政権を維持することも可能になってきます。今の女子選手は実力伯仲で多くの選手が競い合っていますが、トッププレーヤーのほとんどがどこかに故障を抱えながらツアーを転戦しています。その中でもっとも体調維持が完全なのがモーレスモです。全仏こそエナンの牙城を崩すのは困難かも知れませんが、それ以外のグランドスラムタイトルに一番近いところにいるのはチキンではなくなったモーレスモでしょう。 いよいよ直前に迫ったサッカーW杯の決勝。モーレスモの優勝が「フランスイヤー」に向けてこれ以上ない後押しになったことでしょう。 |
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