幹事クリタのコーカイ日誌2006

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7月4日 ● 尻切れトンボの『HERO』。

 中田英寿の突然の引退発表とか、杉山愛がコロッと格下の選手に負けてしまったこととか、オリエンタルラジオの中田“あっちゃん”敦彦が赤坂御用地内にパラシュート降下した事件とか、いろいろ書きたいことはありますが、敢えて今日は昨晩放送されたフジテレビのスペシャルドラマ『HERO』の中途半端さについて。

 2001年1月〜3月に放送され、全話30%超えという驚異的な視聴率を誇った『HERO』は、数あるキムタクドラマの中でもドラマとしての質と高視聴率を兼備した最高傑作のひとつだと思います。型破りな検事を主役に設定し、毎回謎解きと人間心理を描写する脚本も良かったし、共演陣もそれぞれに個性的でキャラクターがうまく描き分けられていました。また最近ではすっかり手垢がついてしまった「キムタク様」演技も、このドラマでは抑え目で好感が持てました。

 そんな大ヒット作が久しぶりにスペシャルドラマとして帰ってきただけに、こちらも期待をして2時間付き合ったのですが、前半はともかく後半は完全に破綻をきたしてしまい、挙げ句に尻切れトンボで終わってしまいました。まるでブラジル戦の日本代表の試合のようです。

 まあ細かいことは良いでしょう。きっと検察庁の人からしたら「ありえない!」という突っ込みが入るようなところがいくつもあっただろうと思います。しかし、僕は門外漢ですからそこはドラマとして面白ければ良いやと思うことにします。問題はドラマが完結しないまま終わってしまったことです。

 中井貴一演じる専務が社長を庇うために嘘を吐いていることは、見ている誰でもがすぐにわかります。その嘘を見破ったキムタクが、本当に悪い奴を追い詰めていくのがこのドラマの本筋でしょう。ところが、実際にはドラマは黒幕である政治家が事件を裏で操っていることを匂わせるだけで終わってしまいます。「さて、これから」というところでドラマのエンディングになってしまったので、テレビの前でずっこけた人がほとんどじゃないでしょうか?

 同窓会のように連続ドラマ時のキャストをもう一度登場させている無駄な時間があるのなら、その間に政治家を追い詰めろよ、なに昔の仲間と和んでいるんだ、と、その腰抜けぶりにガックリきてしまいました。もしかして、これは連続ドラマ化するプロローグなのか、もしくは2週連続とかで放送される予定の前編なのか、と疑いましたが、どこを探してもそんなことは書いてありません。

 となると、このドラマは本当にこれで終わり。テーマは巨悪を追い詰める徹底的に戦う検事の話ではなく、良い人を自白に追い込んで村全体を破滅に追いやってしまう子どもっぽい正義感を振り回す身勝手な検事の物語ということになってしまいます。良いのか、それで?キムタクも本当に納得しているのか聞いてみたいものです。


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