幹事クリタのコーカイ日誌2006

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7月2日 ● 杉山愛がヒンギスを撃破。

 久しぶりに杉山愛が素晴らしいテニスを見せました。ウィンブルドンでの3回戦ヒンギス戦を接戦の末に勝利したのです。かつての女王であり、今大会の目玉でもあるヒンギスに勝つというのはまさにビッグアップセット。最近世界からあまり注目されなくなった日本テニスに光が射した思いです。

 試合は互角の立ち上がりでした。杉山は第1セットを良い感じで入って、終盤のワンチャンスを生かして7-5で取ることができました。しかし第2セットに入るとヒンギスがテニスの質を上げてきました。杉山のフォアのミスが増えてきて、結局序盤のブレークをそのまま生かされてしまい3-6。

 そしてファイナルセット。杉山はサービスが入りません。いきなりサービスゲームで2つダブルフォルトして0-3。さらに4ゲーム目もポンポンとポイントを奪われて0-30と完全に劣勢。もはや「杉山善戦するもヒンギスに敗退」という見出しが頭に浮かんできます。

 ところがここから杉山が生き返ってきます。少しずつ第1セットのような動きとショットが戻ってきて、サービスも入りだし、一気に4ゲームを奪い返して逆転してしまったのです。こうなると勢いに乗る杉山が俄然有利。ヒンギスは長い試合に体力も気力も奪われていき、途中2度も芝に足を取られて転んでしまいます。最後は完全に流れを自分のものにした杉山のショットをヒンギスがアウトして6-4で杉山快勝。過去ヒンギスに1勝6敗と勝てなかった杉山が見事に復活したヒンギスを撃破しました。

 間もなく31才になろうとする杉山はすでにテニスキャリアの終盤に入っています。4大大会もこれで何と50大会目。しかも休むことなくずっと出場し続けているという鉄人ぶりです。ミドルティーンでデビューし、あっと言う間にランキングを駆け上がり、そして20代前半を3年休んだヒンギスのような天才肌の選手にとってみれば、杉山のような粘りのある体力も精神力もタフなプレーヤーは「怖い」相手ではないけれど「イヤ」な相手です。怖いもの知らずだった少女時代ならいざ知らず、大人になったヒンギスにとってみれば、杉山の粘りと気力は十分脅威なのだと思います。

 ヒンギスが負けてしまったのは本当に残念ですが、その分も杉山には頑張って上位まで勝ち進んで欲しいところです。浅越しのぶのように折角シード選手を破っても、その次にコロッと負けてしまっては勝利の価値も半減です。杉山の4回戦は格下ですから、これをキレイに勝って準々決勝のエナン戦でもう一度ビッグアップセットを期待しましょう。


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