幹事クリタのコーカイ日誌2006

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5月13日 ● 天才の隣にいる辛さ。

 元ドリカムの西川隆宏が実刑判決を受けた日、元サザンの大森隆志が麻薬所持で逮捕されました。ともに日本の音楽史に残るようなスーパーバンドのメンバーでありながら、脱退し薬物中毒になり逮捕されるという奇妙な符合に「ほー」と思った人も多いことでしょう。

 詳しいことはわかりませんが、恐らく西川も大森も脱退したのは本人の意思というよりも「やめさせられた」に違いありません。当時から麻薬に手を出していたかどうかは知りませんが、それぞれ「こいつはこのまま放っておくと近い将来バンドに迷惑をかける」ということを周囲が気づいていたからこそクビになってしまったわけです。

 二人ともどうしてもバンドに必要なメンバーでもなく、ただただ飛び抜けて才能ある友人(吉田美和であり桑田佳祐であり)にくっついてきたら、そのおこぼれで自分も成功してしまっただけのこと。とは言え、そういう天才の隣にいるにもきっとある種の能力が必要なのだと思います。お気楽に思えてもきっとプレッシャーもあります。主役には決してなれないのですから性格的にも向き不向きがあるでしょう。さらに言えば、中途半端に自分にも才能があったからこそ、余計にそのポジションが耐え切れなくなるのかも知れません。最後は麻薬に手を出して人生をダメにしてしまうなんて、まさに天才と知り合ったがための不幸です。

 能力主義で選りすぐった才能が集まってひとつにになっても長続きしないし、かと言って仲の良い友人同士がひとつの天才に頼って大きくなっても、結局ついてこられない者が落ちていく。アーティストの世界でグループを維持し続けていくことの難しさは、過去に解散分解していった数多の例を見ればよくわかります。

 西川も大森もせっかく天才を友人に持ち運にも恵まれて成功したのに、それを自ら捨ててしまったわけで、我々から見れば「バカな奴」としか言いようがないのですが、見ようによってはあまりにも強く輝く太陽の近くにいすぎたために堕ちてしまったイカルスだったのかも知れません。 


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