幹事クリタのコーカイ日誌2006

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3月24日 ● イムジン河。

 秘かに僕が愛好していたNHKの『音楽・夢くらぶ』が昨晩で最終回を迎えてしまいました。中村雅俊が司会で、1970〜80年代の音楽を中心にした懐メロ番組ですが、フジテレビ系『僕らの音楽』と並んでなかなか良質な歌番組でした。

 昨晩の最終回では加藤和彦と坂崎幸之助が登場、伝説のフォークグループであるザ・フォーククルセダーズの『悲しくてやりきれない』そして『イムジン河』を歌いました。『悲しくてやりきれない』は僕たちが中学生の頃からキャンプファイヤーなどの時にみんなで歌ったので(特に僕はカレッジフォークが好きなので)良く知っていますが、『イムジン河』はその歌の存在こそ知っていましたが、放送禁止ソングの象徴的な歌だっただけに、長年触れることなく最近まできてしまいました。

 2002年の期間限定のフォークル再結成(はしだのりひこの代わりに坂崎幸之助が参加)の時に復刻して改めて世に送り出された『イムジン河』は、かつて歴史的な大ヒット『帰って来たヨッパライ』に続いてフォークルが出そうとしたセカンド・シングルだったのですが、政治的理由により発売が中止され放送もされませんでした。この名曲が、去年公開された井筒監督の『パッチギ!』で主題歌として取り上げられてから俄然注目を集めるようになりました。

 美しく叙情的なメロディと哀しい歌詞に、どうして祖国が分断されなくてはならないのかという朝鮮半島の人々の悲しみが伝わってきます。しかも映画自体も去年の日本映画の収穫と呼ぶべき傑作なので、余計にこの『イムジン河』も切々と心に響くものがあります。

 この歌が堂々とメディアに流れるようになったことに、1968年当時と今の時代の移り変わりを感じますが、だからと言って、本当に今の方が当時よりも朝鮮半島と日本を取り巻く環境が良くなったのかどうかはわかりません。


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