民主党の永田寿康議員が持ち出した堀江メール問題は、やはりと言うべきか、証拠としての信憑性を示すことができず、永田議員のみならず民主党全体を窮地に追い込んでしまいました。

　普段からメールを使っている人なら誰でも「あれだけでは証拠にならないだろう」と思ったことでしょう。メールのコピーなんていくらでも偽造することができます。良くできたアイコラに比べたら、あんなメールは冗談みたいなものです。

　メールの信憑性を証明できなかった民主党は、辞職の意思を表明した永田議員をとりあえず休養させて、何とか乗り切ろうとしていますが、どう考えても執行部の責任を問われる事態です。自民党を追い詰めたつもりが逆に追い詰められてしまいました。「自爆テロ」とも言われていますが、相手を巻き込めない自爆テロは単なる自殺です。自民党は高笑いをしています。

　それにしても民主党は情けなさ過ぎます。「４点セット」と言われるように小泉を追い込むネタはいくらでもあって、それは全て国民も関心が高い問題ばかりです。変な手を使わなくても正面からきっちりと論戦をしていけば良いものを、なんであんなパフォーマンスをして勝手にこけるのでしょう？まるでトップを滑っていながら「エア」を決めて転倒し抜かれてしまったスノーボードの選手のようです。彼女に対しては僕は同情的ですが、民主党に対しては「バカじゃないの？」としか思えません。

　ただ自民党も勝手にこけている民主党を笑っているばかりではなく、問題になっている点はきちんと自分たちの手で説明をつけて欲しいと思います。特に構造偽装や米国産牛肉などの問題は、政局として争うことではなく、国民の生活に直結することだけに与党としての責任ある態度を期待したいと思います。この一週間、くだらないメールのせいで国会が空転してしまったことを、ヒューザーの被害者の人たちはどんな思いで見ていたことでしょうか。