予想していたことではありますが、今年の年賀状には愛犬の写真を使っている人が多数います。まるでペット自慢大会で、愛好家同士なら良いかも知れませんが、人の家の犬なんかに全く興味がないこちらとしては、ほとんどロクに見てもいません。

　飼い犬に比べれば少しはマシですが、相変わらず子どもの写真をプリントした年賀状も数多く届きます。犬よりは多少見る気になりますが、それでも生まれたばかりの赤ちゃんのうちならともかく、３才過ぎたらどうでも良いかなという感じ。ただの知らないガキです。せめて家族揃っての写真なら肝心の本人も出てくるので良いのですが、子どもだけではやはり２秒くらいしか目を止めていません。

　写真を使うならぜひ本人が登場して欲しいし、それもできたら単なる観光地での面白くもないスナップではなく、去年本人がどういうことをしてきたかを端的に写し取っているような１枚にして欲しいと思います。友人のＮ村くんは、去年ずっと万博会場で働いていたらしく、真夏にスタッフパスを首から下げて会場の氷柱の横で撮った写真を送ってきてくれました。いかにも彼らしい笑顔の写真で、生き生きとしていて「元気だったんだな」と嬉しくなりました。

　年賀状の一番の価値は、滅多に会わない友人との年に１回の情報交換なんですから、やはりその年の「ニュース」を教えて欲しいし、もし写真を使うなら元気そうな本人の顔を見せて欲しいものです。

　子どもの写真を使うのは「親バカ」だからという理由以外に、本人は十年一日のごとく変化のない生活を送っているので、だったら成長著しい子どもの姿でも見せておこうと思うのかも知れませんが、例えずっと変わりがなくても、その「変わりがないこと」にこちらは安心し喜べるのです。来年からは写真を使うならぜひ「ご本人登場」でひとつよろしくお願いします。