トリノ五輪代表を決めるフィギュアスケートの全日本選手権が終わりました。女子の高いレベルの争いにはかなり感動しましたし、その結果選ばれた村主、安藤、荒川の３人は文句なしだと思います。もちろん中野も恩田も十分五輪代表に選ばれて良いだけのパフォーマンスを見せましたが、村主と荒川のベテラン２人の「気持ち」が少し上回っていたような気がします。まあ意地悪を言えば村主の得点はインフレ気味だとか、安藤は本当にトリノまでに立て直せるのかとか、結局ロッテ三姉妹かよ、スポンサー絡みじゃないのか、とかいちゃもんがないではないんですけどね。

　さて、この３人でトリノ五輪を戦うわけですが、果たして女王スルツカヤ、それにアメリカのコーエンに勝てるかどうかは何とも言えません。「顔」がモノをいうフィギュアですが、この３人なら十分に顔は売れています。ただスルツカヤに対してはちょっと分が悪いかなという気もします。銅メダルは十分に可能ですが、金メダルとなるとスルツカヤとコーエンのミス待ちということになるでしょう。荒川３位、村主が４位、安藤は今のままでは６〜８位くらいでしょう。

　そこで浅田真央です。今回これだけ代表の選考に注目が集まっただけに、もし日本勢がメダルを逃したら「やっぱり真央が出ていれば」という言われることは確実。これは何より代表になった３人にとって辛いことです。ルールはルールですから、真央が出られないのは仕方ないことですし、選ばれた彼女たちには何の責任もないのに、そういう言われ方をするのは、単に負けたことをなじられるよりも辛いと思います。

　アテネ五輪で高橋尚子が選ばれなかった時、野口みずきが金メダルを取ったために誰も何も言いませんでしたが、もし野口が負けていたら「やっぱりＱちゃんを選んでおけば」と言う大合唱が起きたことでしょう。今回は規定で浅田真央は出られないのですから、高橋尚子の時は事情が違いますが、「一番強い」と思われている選手が出られないという点においては一緒です。

　トリノで３人が勝っても負けても真央のことは言わずに純粋に３人の演技だけで評価をするべきだと思いますが、果たしてそう理性的に収まるかどうか、今から心配です。