来年３月開催の国別対抗戦ＷＢＣ（ワールド・ベースボール・クラッシック）の日本代表２９選手が発表されました。イチローや井口、大塚らのメジャー組ももちろん呼ばれましたが、イチローと並ぶ日本代表の顔、松井秀が保留中。王監督はわざわざ松井の分を空けて選手を発表しましたが、本当に参加してくれるのかどうかわかりません。

　松井が保留している理由ははっきりとはしていませんが、恐らく理由のひとつにＷＢＣが本当に真剣勝負の場なのかどうか、という問題があるのではないかと思われます。と言うのも、ＷＢＣでは投手の投球数の制限や、野手の出場イニングの制限などを検討しているからです。

　これは３月というシーズン開幕直前に行われる大会のため、シーズンに影響を及ばさない配慮だと言うことですが、そんな「手加減」を加えながら試合をして果たして国別対抗戦と謳えるのでしょうか？まるでオールスター戦のような「花試合」「顔見世興行」に終わるのなら、いつも春先に調子が悪い松井が出るのをためらう気持ちもわからないではありません。

　松井は日本の顔であり四番です。もちろん本人にもその自覚も十分あるでしょうし、また尊敬する王監督に「空けて待っている」と言われたら普通に考えればもちろん参加するところです。それがここまで迷うということは、やはりメジャーリーガーの間でもＷＢＣを軽く考えている空気があるのではないかと思ってしまいます。

　ところでその松井を除く２９選手の顔触れを見ていると、どうもパ・リーグ偏重、とりわけロッテ偏重というのを感じます。確かに今年のロッテは強かったし、それを認める王監督の気持ちもわからないではないのですが、１シーズン限りの活躍かもしれない選手をいま選んで、本当に来年３月も活躍できるのか疑問です。僕はもっと過去の実績を考慮して安定感のある選手を選んだ方が良いのではないかと思うんですけどね。

　もっとも不参加を表明した選手の意向を尊重したので、結果として偏ったという側面も否めません。岩瀬や城島、福留あたりも松井と同様に「顔見世興行」のために故障でもしたらかなわないというところでしょう。それはそれでプロ選手らしい判断ではありますが、やはり本当の意味での日本代表を何とか揃えて欲しかったなという気分は残ってしまいました。