幹事クリタのコーカイ日誌2005

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12月12日 ● ジーコの強運。

 ドイツW杯のグループリーグの組分けを見て、「ジーコはやっぱり運が強い」と思いました。日本はブラジル、クロアチア、オーストラリアと対戦して2位に入れば決勝トーナメントに進出できるわけですが、ブラジルは別格として残る3国はまあボチボチです。どこが勝ってもおかしくないだけに、これなら日本にも十分に16強が見えてきました。

 しかも対戦する順序がオーストラリア、クロアチア、ブラジルと徐々に強くなっていくのも運が良いと思います。恐らくブラジルは日本と対戦する時には1位通過を決めてしまっているでしょうから、主力を温存して引き分けでもいいやくらいのぬるーい感じできてくれる可能性があります。だから初戦のオーストラリア戦に勝てれば、かなり優位にリーグ戦を戦える計算になります。

 日本の実力ではどこと当たっても楽に勝てる相手などありません。その中で比較的可能性のある相手2ヶ国と、本気でやったら勝負にならないけれど、うまく事が運べば全力でこない可能性がある1ヶ国を相手にするわけですから、これはかなりラッキーなドローです。

 こういうラッキーを引き寄せたのは、やはりジーコの力だと僕は思います。代表監督就任以来、ジーコは大したことは何もしていません。チームをきちんと作り上げたわけでもなく、誰か新しい選手を育てたわけでもなく、代表チームの強化プログラムを有効に企画したわけでもありません。彼はただ選手を集めて試合に臨んだだけ。その試合での采配も決して的確だったという印象はありません。

 それでも今の日本代表は中田英や中村、小野に代表されるようなタレントが集まった黄金世代ですから、何とかかんとか機能してそこそこの成績を収めてきました。逆に言えばこの2006年ドイツ大会がピークで、ここを過ぎたら後に続く世代が育っていないので、日本代表チームは苦しくなっていくばかりだと思います。

 そんな巡り合わせの良い時に代表監督に就任し、要所要所で勝ちを拾ってきたジーコの一番の取り柄は「運の強さ」だと僕は思っています。だいたいジーコは現役時代スーパースターだったように今や言われていますが、僕の印象では1982年スペイン大会当時は「黄金のカルテット」の中心だったからこそのスーパースターであって、あれはカルテット自体がスーパーだったのです。あれだけの選手が揃っていなかったらジーコは普通の優秀な選手だったのではないかと思います。少なくともジーコ以前のペレやベッケンバウアー、またジーコ以後のマラドーナに比べれば、選手としてのその輝きは落ちると言わざるを得ません。

 それなのにジーコがこれだけ「神様」のように祭り上げられているのは、そうした本当のスーパースターの谷間に咲いた花だった彼の運の強さによるところが大きいし、その運の強さが日本代表監督になっても生きているのではないかと僕は思っています。

 ドイツ大会でどういう結果が出るかは、もちろん戦ってみないとわからないわけですが、このジーコの強運が生きて何となく日本はまた決勝トーナメントに進出できるのではないかという気がします。もっともジーコは選手としてW杯で優勝はできませんでしたから、最後の最後は勝負弱い人だと思います。日本代表も決勝トーナメント初戦敗退くらいで終わってしまいそうで心配です。


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