幹事クリタのコーカイ日誌2005

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11月22日 ● 新書ブーム。

 読書を「趣味」と言うほど最近は読書家ではないのですが、まあそれでも子どもの頃から好きでいろいろ読んではいます。基本は文庫本で、これはもちろん安くて持ち運びやすいから。ただ最近は新書がちょっと面白いなと思って書店の新書コーナーをよく覗くようになりました。こんなことは高校時代にブルーバックスとか講談社現代新書とかを一生懸命読んで以来かも知れません。

 最近読んだ新書は山田真哉『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』(光文社新書)、清水義範『行儀よくしろ。』(ちくま新書)、今野勉『テレビの嘘を見破る』(新潮新書)、三浦展『下流社会』(光文社新書)、佐野山寛太『現代広告の読み方』(文春新書)など。さらにこれから茂木健一郎『「脳」整理法』(ちくま新書)や竹内一郎『人は見た目が9割』(新潮新書)など話題になっている新書を読もうかなと思っています。

 昔は新書と言えば岩波新書や中公新書がメジャーで、とにかく小難しい本が多く歯応えがありすぎでした。知的好奇心と知的挑戦心が旺盛な10代の頃ならともかく、仕事に追われる社会人にはヘビー過ぎ。だから20代〜30代はもっぱら息抜きに気楽に読める軽めの小説やエッセイ中心の読書でした。

 しかし最近になって新書を手に取るようになったのは、なにも仕事が暇になったからではなく、新書自体が昔よりも随分と柔らかく軽くなってきたからです。先ほどのラインアップを見てもわかるように岩波新書や中公新書は1冊もありません。どちらかと言うと新しい新書(白い白馬みたい)が多く、それらは以前よりも読みやすい軟派なテーマと文体のものが多数派です。

 ベストセラーになった養老孟司『バカの壁』(新潮新書)は僕も読みましたが、ああいう文体はこれまでの新書ではあまりなかったのではないかと思います。また小谷野敦『もてない男』(ちくま新書)も話題になった時に読みましたが、こういう下世話なテーマも最近の新書の特徴でしょう。

 こうやって最近の新書を並べてくると、かつてのような教養を深めるというよりも、単なる会話のネタ本と言うか、雑誌のコラム的な面白話という趣がしないでもありません。出版社としては手を変え品を変え本を売ろうとしている努力の結果だと思いますが、こんな内容なら文庫本で出してくれよ、と思ってしまいます。新書はやっぱり単価が高いですし通勤の時に読むには文庫サイズの方が楽ですから。


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