昨晩の『トリビアの泉』で、「失恋した女性を慰めつつ自分に好意を抱かせる携帯メール」をコピーライターが考えるというトリビアの種をやっていました。どういうコピーライターが登場するのかと思ったら、大御所ではなくどちらかと言うと新進気鋭の働き盛りが５人登場しました。この方が実戦的ではあるものの、僕としては６０代の大御所がこういう新しいメディアでのコピーを考えてくれたら面白いのになぁと思ってしまいました。

　番組で決定したコピーは「おーい　ここにいるよ」というものでした。なるほど、なかなかうまいコピーです。短くて優しくて温かくて、自分を主張しているけれど押しつけがましくない。良好な友人関係だったら、このメールを受け取ってホロッとくるような気がします。

　ただ、受け取る女の子に少しセンスが必要かな、という気はします。ある程度のレベルの女の子じゃないと、このニュアンスを十分に感じ取ってくれないでしょう。「ここにいる」ってどこにいるのよ、意味わかんなーい、なんて思われて終わり、なんてことになったら無意味です。

　それと、メールを送る方もそこそこのレベルの男性じゃないと「ストーカー？」って思われかねません。一人暮らしの失恋したばかりの女の子。部屋で膝をかかえて落ち込んでいると、携帯に「ここにいるよ」というメールが届いた。背筋がぞくっとなって窓から外を見ると、電柱の陰に立ち携帯を握りしめてこちらを見上げている男の姿。前から気持ち悪かったあの男！いやーっ！！

　まあそんな関係なら、どんなメールを送っても嫌われるに決まっていますから、コピーを考えるだけ無駄でしょうけどね。どんな言葉よりも、恋愛においては日頃の人間関係ですよ、やっぱり。って、コピーライターが言葉の力を否定してどうするって気はするけど。