幹事クリタのコーカイ日誌2005

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11月15日 ● Y染色体なんてみんな一緒。

 今話題の天皇家の男系か女系とかについての議論で、要は男系継承の論拠というのは神武天皇以来のY染色体をずっと絶やさず受け継がれているということだ、だから男系継承が良い(?)んだというような話があります。

 性別を決める遺伝子でXYなら男、XXなら女という話は学校の生物の時間に習いました。そのY染色体を男しか持たない以上、生まれてきた男の子は全て父親からそのY染色体を受け継いできていることになります。そこに男系継承の意味を求めて、だから代々それだけは天皇家は守ってきたんだ、と言うわけです。

 しかし、昭和天皇以前の天皇家でそんな遺伝子の話を知っていたはずもなく、Y染色体うんぬんは明らかに「後付け」でしかありません。少なくともそんな理屈で天皇家は男系継承を守り続けてきたわけではないでしょう。

 ただもちろん意味は後付けであっても神武以来の(神武天皇は実在しないとしても)Y染色体というのは確かです。ただ、それを言うならば日本男子の大半は同じY染色体を持っていると考えても良いんじゃないでしょうか?なにせ長年閉ざされて国際交流が極端に少ない島国です。よその国からのY染色体流入が多くない以上、先祖を遡っていけば、どこかでみんな源氏か平氏につながっていきそうですし、それはとりも直さず天皇家の血筋ということです。

 天皇家の血筋ならば全てY染色体は神武天皇と同じはず。僕もあなたも皇太子も秋篠宮も、ことY染色体に限って言えば同じものなんです。そんなY染色体にどれほどの価値がありますか?

 これをもっと突き詰めて考えていけば、Y染色体の種類なんてかなり限定されているんじゃないかと思います。元はアダムとイブだったとしたら、世界中の男性は全て「アダムの息子たち」です。最初の人類が何人いたのかわかりませんが、その最初の人類から同じY染色体が営々と受け継がれてきたことになります。

 この先、もっと遺伝子の研究が進み、Y染色体を受け継ぐことにどんな意味があるのか、どんな情報が伝わっているのか、そしてY染色体の間に差異はあるのかということがわかれば、男系継承の意味も変わってくるかも知れません。


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