幹事クリタのコーカイ日誌2005

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11月8日 ● 本田美奈子の死と38才。

 本田美奈子の訃報には驚きましたが、すでに病気のことは報じられていたので「やっぱりダメだったか」と言う思いで、例えばジョン・レノンが殺された時のような、もしくは尾崎豊が自殺した時のような衝撃はありませんでした。僕の中では手塚治虫が死んだ時の方がはるかにショックでした、って、比べることかどうかもわかりませんが。

 ところがweb日記をいろいろ読んでいると、意外にショックを受けている人が多いようで、「あれ、彼女はそんなにビッグスターだったかな?」と思うほどいろいろな人が取り上げています。僕の周りではほとんど話題にもなっていないのに、この温度差は何だろう、と考えてしまいました。

 思い当たるのは38才という年齢です。確かに若いと言えば若いですが、それでも「若過ぎる」というほどでもありません。なのにこれだけの波紋を呼んだのは、同世代の日記書きたちが反応したのだと思います。特別本田美奈子が好きというわけではないけれど、確かに自分たちの青春の思い出のひとコマに彼女の「マリリ〜ン!」という歌声があり、青春の終わりを実感してしまったのかも知れません。

 それとともに、若い頃は死は自分には関係ない遠い出来事ですから、誰か有名人が死んでも「ふーん」というくらいにしか反応しません。ところが30代後半になってくると「自分の死」を意識するようになってきます。死がリアルに感じられるようになってくるのです。それがたまたま同世代の有名人の死に触れて、一気に表面化して思わずweb日記で反応してしまったのかもと思います。僕にも覚えがあるのですが、30代後半はそういうお年頃なのです。もちろん、本田美奈子のことに触れた日記書きが全て30代後半ではないでしょうから、例外はあると思いますが。

 これが我々のように40代半ばになってくると、もうはっきりと自分の人生のゴールラインまで見据え始めています。人生も後半戦に入って、さて、残りあと何年あるかな、何ができるかな、と考えるようになってきていますから、人が死ぬことにもある種の諦念をもって受け入れることができるようになってきているのです。

 と言っても、自分が死ぬことを素直に受け入れられるほどには悟ってはいませんけどね。あくまでも諦めを持って受け入れられるのは人が死ぬことだけで、自分はまだまだこの世に執着がいっぱいありますから。


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