幹事クリタのコーカイ日誌2005

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11月7日 ● どんな家に住みたいか。

 誰しも住環境に対してはそれなりにこだわりがあると思うのですが、それぞれが思う「良い住まい」は結構個人差があるんだな、ということを最近感じました。

 僕が20年前に今のマンションを買う決め手になったのは眺望と明るさでした。1フロア2戸の高層マンションで、東南向きの角部屋ですから、ぐるりと窓から空が広がっていて風通しも良く明るく本当に気持ちが良いのです。名古屋近辺の花火大会は全て部屋から見えるし、夜景も大いに自慢です。大きな国道に面しているので常に物音が聞こえてきて騒がしいのですが、そんなことは都市の利便性に比べたら全然気になりません。もし次に買い替える時も、やはりポイントは眺望と明るさと便利さになると思います。

 ところが会社の同僚Y田さんは全く逆。マンションを選ぶにもなるべく1階か2階の低いところ。閑静で緑に囲まれているような家が好きなんだそうです。僕からするとそんな静かで自然好きで地べたに近いところに住みたいのなら郊外の一戸建てにすればいいのに、と思ってしまいます。

 Y田さんがいま住み替えようと検討しているマンションは、彼の理想に近い物件。名古屋でも屈指の閑静な高級住宅街の中にあり、豊かな緑が残っています。贅沢なこだわりの自然素材をふんだんに使った高級マンションで、ごてごてした機能はついていませんが、まるでリゾートマンションのようなゆとりの設計。なるほど、企画書的には素晴らしいコンセプトだと思います。ただ僕もモデルルームを見に行きましたが、正直言って生活感が感じられず自分が暮らすイメージが沸きませんでした。

 地元の土で焼いたというセラミックタイルもいらないし、高級な木材の扉もいらないし、エコに配慮した壁のクロスも艶消しのフローリングも必要ありません。そこに何割(何倍?)も高いお金をかけるのなら、その分広く安くして欲しいなぁと切実に思いました。

 駅までかなりアップダウンのある丘陵地を歩かなければならないし、マンションの回りは緑が多い高級住宅地である分、暗くて人通りが少なく女の子の一人歩きは心配になります。高度制限があるため、低くて横に長い建物になってしまい、まるで見た目は学校のようです。南だれの斜面に建っているので眺望と日当たりは良いと言うことですが、土砂崩れで崩壊してしまわないか心配です。

 自分では絶対に選ばない物件ですが、営業マンの話を聞くと「賛否両論」だそうで、なるほどダメな人はダメだけど、こういうマンションが欲しいと思った人には「これしかない」と思わせる力があるのだなと感心しました。戸建て感覚・永住志向。僕にはあまりない方向性です。

 僕は家は「そこそこ」で良いのです。できたら家にはあまりお金をかけずに、その代わりに自分が楽しむためにお金を回したいと思っています。そうするとどうしても利便性が優先されてしまうんですよね。家はそこに籠もるためにあるんじゃなくて、あくまでもそこから出かけるための拠点として機能してくれれば良いので。年を取って出かけるのが億劫になると考え方も変わってくるのかも知れませんが、むしろ億劫になった時にそれでも出かけやすいように便利なところに住んでいたいと思うのです。究極はホテル住まいかも。金持ちの年寄りになったらそれでもいいなぁ。


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