幹事クリタのコーカイ日誌2005

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11月1日 ● 「喧嘩上等内閣」誕生。

 なかなか興味深い新内閣が誕生しました。小泉流のサプライズ人事こそありませんでしたが、方向性ははっきりとしているなと思います。安部官房長官、麻生外相、谷垣財務相、竹中総務相、与謝野経済財政相といったあたりは「お仕事内閣」というイメージですね。ポスト小泉と噂される人たちをそれぞれ改革のための重要なポストにつけ、次世代リーダーをはっきりと明示し「小泉改革」のために働いてもらおうという意欲を感じます。

 小池環境相の留任、猪口邦子の少子化相も小泉チルドレンの処遇としてはうまくバランスを取った感じがして、なかなか「したたか」です。ただ猪口のあの水色ドレスだけは恥ずかしすぎました。あんな格好で天皇の前に出るなよ。川崎厚生労働相、二階経済産業相、松田科技相などは今回の選挙の論功行賞でしょう。

 旧堀内派、高村派からの入閣ゼロというのもさすが小泉というか、敵味方の区別がはっきりしています。特に旧堀内派は池田勇人が結成し大平、鈴木、宮沢と首相を輩出してきた「保守本流」の名門派閥だけに、入閣ゼロという扱いは腹に据えかねていると思います。きっと来年9月に小泉が退陣したら「見ていろよ」という思いでいっぱいのはずです。

 入閣しなかったことで「サプライズ」だったのが福田康夫。「麻垣康三」などと言われた四人衆の三人までが官房長官、外相、財務相という花形ポストについたのに、福田だけが閣外ということで、小泉の真意がどこにあるのか興味をそそられます。

 報道では福田が自ら入閣を断ったということですが、だからと言って小泉と福田の間に亀裂が入ったというわけでもないでしょう。むしろ「麻垣康三」の中で一番小泉が信頼しているのが福田ではないかと思います。だからこそ閣外にいて小泉のバックアップ役として森派を束ねていく方を福田は選んだのではないでしょうか。小泉に「何か」があった時には、後継は安部ではなく福田かという気がします。

 ただ、中国とパイプの太い福田が閣外になってしまったことで、今回の内閣は完全に「親米反中韓内閣」になりました。安部はもちろんですが、麻生も対アジア外交では強硬派です。その2人に小泉のトリオでは、日中・日韓に関しては「喧嘩上等内閣」です。福田を外したのは、そういう意味でも内閣としての意思がはっきりしていると考えられます。

 9月までの1年弱で、この内閣がどれほどの仕事をやり遂げることができるのか。恐らく改憲と増税への道筋だけはつけることでしょうし、アジア外交も是非はともかくはっきりした態度を取りそうです。これまでなら選挙が怖くて逃げ腰になっていたことにもはっきりした「仕事」としてカタチにしていくという意味では、国民に対しても「喧嘩上等」内閣になりそうです。さて、喧嘩を売られる国民は選挙もないし、どうしたら良いんでしょうね?

 

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