我々のサークルは雨が降っていてもとりあえずメンバーがコートに集まることが多いサークルです。「バカだけ集合」と言っていますが、ほとんどのメンバーが「テニスバカ」なので、少々の雨など気にしないでテニスしようとやってくるのです。

　ただ夏はともかく、こうして少し肌寒い季節になってくると、雨に濡れて風邪を引いてしまっては本当に「バカ」です。仕事に差し障りを生じてまでテニスするなんて、真っ当な社会人のやることではありません。

　ところが世の中には雨の中でテニスして風邪をひくバカよりも、もっとバカ、究極のテニスバカがいて、風邪を引いているにも関わらず雨の中をテニスしに来る大バカがいるのです。これでは原因と結果の順番が逆です。かなりおかしいです。

　風邪で熱があって食欲もあまりないというのに、雨がパラパラと降っている中をテニスコートにやってきて、フラフラしながらコートでボールを打つ。家庭も仕事もある４０代の分別ある大人のすることとは思えません。明日からまた仕事があるというのに、そこまで破滅的にテニスをして、その先に何があるというのでしょう？

　いや、本当はさすがにテニスを休もうと思っていたのです。でも、もしかしたらコートに立てば元気になれるかも、とチラッと考えてしまったのです。過去にもそんなことがありましたから。テニスしていれば大抵の怪我や病気は吹っ飛んだから。夜には元気になって食事もできるようになるかも、なんて夢見たんですよ。

　えっと、そんな無茶した結果、とりあえず精神的には少し元気になりました。ただ身体的に元気かどうかはちょっと自信がありません。うーん、自分がこんなにも究極のバカだとは思っていませんでした。