幹事クリタのコーカイ日誌2005

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10月12日 ● 堕ちた野田聖子。

 郵政民営化法案が衆院で圧倒的大差で可決されました。それは総選挙の結果から当然のことなのですが、問題は「造反議員」と呼ばれた自民党で法案反対を唱えた議員たちの態度です。平沼赳夫や亀井静香は今回も反対票を投じましたが、野田聖子は賛成に転じてしまいました。これは彼女にとって大きな選択ミスであり、政治生命すら危うくするのではないかと僕は見ています。

 野田聖子は自ら今回の件では政治的に「完敗」であると認め、民営化法案は今後移行期間によりよい形に詰めていけばいいと言っています。どうせ反対しても通る法案ならさっさと通して他の政治的課題について話し合っていくべきだということです。

 現実はその通りです。今さら野田が反対しても法案は通ります。しかし、それは野田が賛成しようが反対しようが法案は通るということです。彼女が賛成に回ったから通るわけではありません。だったら彼女が賛成に回る意味はどこにあると言うのでしょう?前と同じく反対したって結果は同じはずなのに。

 もちろん、それは野田から自民党&小泉に対するラブコールの意味しかありません。首班投票でも「小泉純一郎」と書き、郵政民営化法案でも賛成票を投じることで小泉にひたすら媚びて自民党復党を認めてもらいたいのです。野田聖子は政治的には「完敗」どころか小泉に土下座をしているのも同然です。

 しかし、これはもちろん野田を支持した有権者に対するひどい裏切り行為です。野田は「刺客」佐藤ゆかりと郵政民営化法案を巡って岐阜1区で直接対決をし、それに勝ちました。勝ったのは郵政民営化法案に反対する支持者のお陰です。野田が賛成なら佐藤と対決した意味は全くありません。あの選挙は茶番になってしまいます。野田に票を投じた有権者に対して彼女はどう説明するのでしょう?

 仮に小泉が野田の今回のパフォーマンスで自民党復党を認めたとしても、野田が信念を曲げ有権者を「裏切った」過去は消えません。また次回の選挙で何の失点も無い佐藤を押しのけて公認を得られるとも思えません。

 もっと言えば、野田がここまで小泉に媚びたことで、余計に小泉としては野田を厳しく処分する効果が大きくなったと考えているかも知れません。土下座する野田を敢えて厳しく切り捨ててこそ、処分の見せしめ効果は大きくなるからです。しかも野田の一連の振る舞いは小泉のサディスティックな気持ちをさらに掻き立てていることでしょう。土下座した挙句に切り捨てられて、有権者にも自民党にも見放されたら政治的には「完敗」どころか「瀕死」です。

 野田はあくまでも法案に反対して有権者に筋を通すべきでした。党から処分されても胸を張ってそれを受け入れるべきでした。政治家は負けるとわかっていても自らの信念を曲げないで貫き通す勇気が必要です。「変節」は政治家のイメージを大きく損ないます。まあ誰が悪いわけでもありません、野田自身が選んだ道ですから、このまま堕ちていっても同情もしませんけど。


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