幹事クリタのコーカイ日誌2005

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10月2日 ● 来るか、阪神黄金時代。

 阪神が2年ぶりに優勝して阪神ファンは大喜び。それはもちろん良いのですが「これで阪神黄金時代の到来だ!」的な言辞を聞くと少し首を捻ってしまいます。もちろん、せっかく喜んでいる阪神ファンに水を差すようなことを言うのも可哀想なのですが、「阪神黄金時代?はぁ?」って気がしてしまいます。

 まず「黄金時代」の定義ですが、まあ確たるものがあるわけではないにしろ、少なくとも過去のいくつかのチームの黄金時代を並べていくと、10年前後にわたってかなりの確率で勝ち続けることができ、しかも殿堂入りするようなスター選手を複数抱え、その間の監督及び主力選手はほぼ不動、というイメージができると思います。1年おきに2回優勝したくらいではとても黄金時代とは言えません。

 古くは1950年代後半の西鉄ライオンズ。1954年〜1963年の10年間でリーグ優勝5回(3連覇含む)、日本一3回。特にこの3年連続日本一の頃の監督は「魔術師」三原脩。「鉄腕」稲尾、「怪童」中西を始め豊田、大下という大選手が揃っていました。

 次いでV9巨人。1965年〜1973年まで不滅の9年連続日本一。監督川上哲治。長嶋、王、柴田、高田、土井、黒江、森、堀内ら不動のV9戦士で日本のプロ野球界を完全に制圧していました。今の巨人人気を確たるものにしたのは、このV9があったればこそです。

 ほぼ同時期、パ・リーグでは阪急が黄金時代を迎えていました。1967年〜1979年の12年間で優勝9回日本一3回(3連覇)。西本&上田監督の元、山田、足立、山口高、福本、加藤、長池、マルカーノらでいつも日本シリーズで巨人と名勝負を演じていました。V9時代の川上巨人には勝てなかったものの、その後の長嶋巨人は圧倒しました。

 西武の黄金時代は1982年〜1994年まで13年間に及んでいます。この間、監督は広岡から森へと変わっていますが、清原、秋山、石毛、辻、デストラーデ、渡辺久、工藤、郭らのスターを擁して優勝11回日本一8回と圧倒的な強さを誇っていました。

 これほどの黄金時代はなかなか出現しないにしても、例えば広島の黄金時代は1979年〜1986年までの8年間で優勝4回、日本一2回。ヤクルトなら1992年〜1997年の6年間で優勝4回日本一3回。広島は古葉監督の下に山本浩、衣笠、高橋慶、北別府、川口らがいましたし、ヤクルトには野村監督指揮で広沢、池山、飯田、古田、岡林、川崎、高津らが活躍しました。

 さて、今の阪神は一昨年から始まった黄金時代(仮)をあと数年間維持できるのでしょうか?岡田監督は二軍監督としても十分な実績を残していますから「名将」の可能性はあるとしても、選手の中で金本、矢野、下柳は同級生の37才。すでにピークは過ぎています。桧山36才、シーツ34才、スペンサー33才、ウィリアムズ33才。このあたりも数年後まで活躍することは難しいでしょう。

 今の主力選手で今後しばらく活躍が期待できそうなのは、赤星、今岡、鳥谷、井川、久保田、藤川ら。やはり問題はチームの精神的支柱でもある金本と守備の要の捕手の矢野、この2人に代わることができる選手が現れるかどうかがポイントになりそうです。要の選手が10年以上変わらずに活躍してこそ黄金時代が到来できるわけで、そういう意味で阪神は「今だけ」かなという予感がします。

 もっとも、こう言ってはなんですが、阪神に「黄金時代」は似つかわしくないような気がします。一瞬の夢の後はまた雌伏の時を堪え忍んでこその阪神。20年に1度優勝して大騒ぎする方がずっと阪神らしいと思いますけどね。


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