幹事クリタのコーカイ日誌2005

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9月19日 ● 前原代表で改憲は時間の問題か。

 与党が衆議院の3分の2を握ったことで、改憲へのハードルが低くなったなと思っていたら、民主党の新代表に「タカ派」の前原誠司が選ばれました。松下政経塾出身で積極的な改憲論者。しかも前原は「労組のしがらみを断つ」と言っているようで、旧社会党系の議員を冷遇していきそうです。

 自民党でも護憲派は元来田中派〜竹下派〜橋本派の流れを組む議員が多く、小泉の自民党改革で彼らはみな追い落とされてしまっていて、今の自民党も圧倒的に「タカ派」が優勢。野党でも護憲を旗印にしている社民党は凋落した上にシンボル土井たか子が議員バッジを失ってしまったし、共産党も往年の勢いはありません。前原が民主党の意向を代弁するとしたら、これで単純に数の上ではもはや国会の大半が改憲派ということになってしまいました。

 各種世論調査などでは、国民の間で改憲派が増えているとは言え、まだそこまで「改憲熱」が高まっているようにも感じられませんので、いくら数の上では多数になったと言っても、簡単に自民党も民主党も改憲に向かって踏み出すことはしないでしょう。ただ、少なくとも改憲が現実味をもって議論される土壌はできたことは間違いありません。

 もっとも一口に「改憲」と言っても、どこをどう変えるのかは人それぞれでしょう。焦点になるのはもちろん9条であり、集団的自衛権を認め軍隊を持てるようにすることが改憲派の狙いであることは間違いありません。ただそれだけではなく時代の変化とともに生じた「環境権」や「プライバシー権」など新たな基本的人権を盛り込んだり、中央官庁主導の行政を改善するための地方自治の強化、首相公選制の導入など民意をより国政に反映するための選挙制度の改革、さらに今の「象徴」という曖昧な天皇の位置づけを見直し国家元首とするかどうかなどについての議論もあります。

 これらの議論が全く煮詰められていない上に、まだ憲法改正のための法整備すらできていない状況で、自民党も拙速にことを運ぶことはできないだろうし、かと言ってのんびりしていると今回の選挙で「勝ち過ぎ」と思われている自民党が、小泉退陣後に大敗を喫する可能性もあり、まだまだ改憲までの道程は遠いとは思います。

 しかし、今回民主党が負けたのも「対案なしの反対政党」と有権者に思われたことが一因であるように、現状でただやみくもに「反対」だけしているだけでは最早国民の支持は得られません。各党各議員とも、憲法が時代に合わなくなってきているとしたら、どこをどう変えるのかということを、どんどん主張していった方が良いのでしょうね。逆にそういう議論が高まれば、社民党のように「絶対変えない」という政党の主張も目立つし支持もある程度得られるのではないかと思います。ま、それでも「護憲」が多数派にはなることはもう無さそうですけど。

 個人的には何回も書いていますが、改憲するならまず天皇制は廃止したらどうだろうと思っています。天皇家の人たちの人権を認めず名目はともかく実質的には「国家の奴隷」として扱うのはおかしいし、世襲によって特別な地位を認めるのもおかしい。基本的人権は全ての人に平等に認められるべきだというのは、それほどおかしな主張ではないと思いますが。9条なんて今のままでも何とかなっているんだから、急いで変える必要はないでしょう。


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