小泉の「刺客」攻勢が続いていますが、中でも注目はやはり亀井静香にぶつけたホリエモンでしょう。まさに野次馬的視点ではこれほど面白い「異種格闘技戦」はありません。勝敗は僕の予想では今のところ亀井有利、ではないかと思います。

　まずホリエモンが無所属で出たというのが敗因のひとつになります。元々各地の自民党県連は郵政民営化反対派が多いわけで、特に反対派の代議士がいる地域というのはその声が大きい、と言うよりは地元での「反対」の声が大きいから反対派になっているのです。

　ところが今回の選挙では賛成派候補が次々と本部から送られてきてしまい、地元のために筋を通して反対してくれた恩のある先生ではなく、見ず知らずの落下傘候補を応援しなければならないのです。これは県連にとってはかなり困る状況です。

　ところがホリエモンのように「無所属」で出馬してくれれば、県連としては彼をバックアップする必要はないわけで、一丸となって亀井を応援することが可能になります。今回危機感の強い亀井陣営だけに、それでフル回転すればホリエモンなにするものぞ、というところでしょう。それにホリエモンはむしろ民主党の票を食ってしまうだけですから、亀井としてはますます有利です。

　さらに言えば、広島の山間部でホリエモンを支持するような「浮動票」がどれだけいるかが疑問。つまり敗因となるふたつめは立候補する場所を間違えたということです。組織票よりも浮動票がパワーを持つのは何と言っても大都市圏です。特にホリエモンのような人物は、若者が多い地域で立候補しないと勝ち目はありません。

　それにしてもホリエモン、話題になりそうなことなら何でも首を突っ込んできますが、そのたびに知名度は上がっても好感度は下がっていることに気づいていないのでしょうか？