幹事クリタのコーカイ日誌2005

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8月9日 ● 争点は郵政民営化なのか。

 参院で郵政改革法案が予想以上の大差で否決されたことを受けて、小泉首相は衆院を解散、総選挙へと打ってでました。異例のお盆を挟んだ真夏の選挙です。

 前にも書いたように、参院で否決されたからと言って衆院を解散するのは論理的に破綻しています。それでは二院制の意味がありません。しかし、政治は原理原則だけで動くものではないし、ここで小泉に対する国民の信を問うということもあながち無駄なことではないかも知れません。

 問題は「郵政解散」と小泉が言う割には、争点が果たして郵政改革だけに絞り切れるかということ。そもそも小泉にとっては最大の懸案事項であっても、国民はそこまで郵政民営化にこだわりはないと思います。郵政公社にしてまだ2年。その成果もはっきりしないのに、一気に民営化することに対する是非を問うにはまだ機が熟していません。

 それよりも他に問題は山積しています。年金問題をはじめ、サラリーマン増税、消費税引き上げ、靖国参拝を含めた対中&対韓外交、国連安保常任理事国入り問題、イラク派遣、北朝鮮拉致問題、少子高齢化対策、教育改革、改憲論議、皇室典範改正などなど、郵政民営化よりも先に手をつけて欲しいと国民が考えている課題はいくらでもあります。

 その中で、小泉は「郵政民営化」だけを争点として、民営化に賛成なら自民党に票を投じよと言いますが、当然民主党を始め各党は争点をそこだけに絞るはずもありません。また自民党の各候補だって、党議によって民営化賛成の票を投じたけれど、本音は反対という人がいくらでもいます。それなのに「改革派は自民党へ」という論理が国民に素直に通じるとは思えません。

 民主党は年金と増税を二本柱にして自民党を攻撃してくることでしょう。分裂選挙を余儀なくされる自民党が相手なら、単独過半数をとって岡田首相誕生の可能性は十分です。もっとも政権を取ったところで全くまとまっていない民主党内で権力争いの混乱が起きることも「想定の範囲内」ではありますけどね。

 公明党は選挙まで時間もないことですし、とりあえず小泉を支えて自民党との連立維持が基本路線でしょうが、選挙の結果次第では民主党との連立も模索することでしょう。なにせキャスティングボートを握るうまみを知ってしまった以上、「おいしいとこ取り」の生活はやめられません。しかも右傾化が進む小泉よりも民主党の方が政策的にも合致しやすいことでしょうからね。

 小泉は何とか郵政民営化に争点を絞りたいところでしょうが、もし8月15日に靖国参拝などしたら、争点は一気に拡散してしまいます。うまく争点を自党に有利な方向に誘導できた政党が勝つ、そんな総選挙になりそうです。


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