幹事クリタのコーカイ日誌2005

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8月5日 ● 明徳義塾の出場辞退。

 明徳義塾高校が、野球部員の暴力事件と喫煙問題が発覚して目前に迫った夏の甲子園大会を出場辞退しました。今まで数多くの類似事件はありましたが、組み合わせ抽選会も終わってからの辞退というのは初めてのケースらしく、辞退した明徳義塾も代わりに急遽出場する高知高校も、明徳義塾の相手だった日大三高も、みんな呆然というところでしょう。

 野球しか能がないような高校球児が今さら暴力やら喫煙やらをしていたところで誰も驚きはしません。体育会はそういう世界なのは百も承知だし、プロ野球におけるドラフトの裏金と同じで、みんな知っているけれど見て見ぬ振りをしているだけのことです。もちろん、みんながしているからと言って、こうした行為が擁護されるべきだとは思いません。高校生の暴力や喫煙にはきちんとお灸を据える必要があるし、当事者の野球部員がやったのなら彼らの出場辞退も仕方ないでしょう。

 ただ問題はその「不公平さ」にあるのです。見つかった者だけが処罰を受けて、わからなければスルー。それでは誰も「タバコはやめよう」とはならないでしょう。「見つからないようにうまくやろう」としか思いません。速度超過や一時停止、駐停車禁止などの交通違反と一緒です。やったらほぼ100%見つかって処罰されるなら良いのですが、「運が悪い」者だけが見せしめのように罰せられるだけでは何の解決にもならないのです。

 しかも今回は「たれ込み」によって発覚したと言うのですから、余計に目覚めが悪くなります。そういう陰湿なやり方でも出場辞退に追い込めるとなると、今後ますます高校野球は歪んだ方向へと向かっていってしまいそうな気がします。今回は当事者及び指導者だけ出場停止にして、明徳義塾高校自体の出場は認めるべきだったのではないでしょうか。無理に出場させられる高知高校だって混乱しますし、一度は負けて引退した3年生の立場や気持ちも複雑なはずです。

 もっとも、だからと言って無自覚に喫煙しているスポーツ選手なんて同情する気にはとてもなれませんけどね。どんなに苦しいトレーニングをしたって、タバコ1本でその鍛錬を無駄にしていることをもっと自覚すべきですし、監督コーチも厳しく指導して子どもたちに理解させなければいけません。何よりまずプロ選手から始めるべきですけどね。「少年たちに夢を与える」なんて綺麗事を言うのなら、まず人前ではタバコを吸わないくらいの気配りは持って欲しいものです。タバコを吸っていてもプロ選手になれると子どもたちに思わせて良いのでしょうか?


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