サザンオールスターズの新曲『BOHBO No.5/神の島遥か国』が売れているようです。まあ夏のサザンは定番ですから、ある程度売れるのは当然と言えば当然。どちらもサザンらしい楽曲ですから気持ちよくサウンドに浸ることができます。

　それは良いのですが、車でＦＭを聞いていたら、この曲をリクエストした１３才の少年が「これまでのサザンの曲で最高の傑作だと思う」というコメントを添えてきたそうで、さすがに紹介したパーソナリティも苦笑まじりに「１３才の心をここまで掴むとはさすがサザン」などと言っていましたが、誰だって１３才にそんな訳知り顔のコメントをされてしまったら笑うしかありません。

　『勝手にシンドバッド』から２６年。シングルだけで約５０曲、アルバムの曲まで含めたら膨大なサザンの作品の中からナンバー１を選ぶのは容易なことではありません。高校生の頃からサザンをずっと聞き続けている僕たちのような世代ですら、サザンの最高傑作はと問われたら、ぐっと詰まりそうです。

　もっとも主観的には多感な青春時代に聴いた音楽こそ最良の音楽という場合が多いので、やはり僕の場合は初期の作品に思い入れが強く、最高傑作はやはり『いとしのエリー』あたりを推してしまいそうですけどね。

　だから１３才が今の作品を「最高傑作だ」と思うのも、無理はないというか、そうかも知れないなとは思います。この先、どんなにサザンが素晴らしい曲を作ろうとも、彼にとっては『BOHBO No.5/神の島遥か国』こそが永遠にサザンの最高傑作としてあり続ける可能性が高いからです。

　ちなみにユーミンならやはり『ひこうき雲』とか『やさしさに包まれたなら』とかごく初期作品を最高傑作に挙げてしまいそうだなぁ。まあサザンもユーミンも簡単に選べるほど思い入れは浅くないですけど。