幹事クリタのコーカイ日誌2005

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7月18日 ● フェド杯とデ杯。

 ほとんどスポーツニュースでも黙殺に近いカタチでしか扱われていませんが、先週そして今週と日本テニス界ではビッグイベントが行われていました。先週は東京有明コロシアムで女子の国別対抗戦フェドカップ・ワールドグループII プレーオフ2005「日本×ブルガリア」戦が、そして今週はデビスカップ・アジア/オセアニアゾーン・グループ I の2回戦プレーオフ「日本×タイ」戦が大阪なみはやドームで行われました。

 女子はワールドグループ残留をかけた戦いで、しかも日本は浅越、杉山の両エースを欠く苦しい布陣。相手のブルガリアはシングルスにマレーバ姉妹の末っ子マグダレナ・マレーバと全仏8強の15歳セシル・カラタンチェバという強力な2本柱。苦戦は免れないところだったのですが、森上亜希子がシングルスでこの2人を連破して見事に4勝1敗でワールドグループII残留を決めました。浅越と杉山がいなくても世界16強に残ったというのは、若手が育ってきている証明でもあり、日本女子テニスの今後に期待を持たせます。

 女子よりもさらに苦戦が予想されたのがデ杯を戦う男子。こちらはアジア・アセアニアゾーンのグループ I 残留をかける戦いのわけで、女子よりも1ランク下ではありますが、何とその相手に予想を裏切ってタイがきてしまったのです。

 タイには最高ランキング世界9位までのぼったパラドン・スリチャパンがいます。世界ランキングを見れば、日本は鈴木貴男が169位で本村剛一が263位、43位のスリチャパンと139位のウドムチョクを揃えたタイの優位は動きません。しかもこのメンバーはお互いに長年アジアで戦い続けてきたベテランばかり。手の内は知り尽くしているだけに、意外な結末を予想するのはさらに難しいと思いました。

 しかし、デ杯はやってみなければわかりません。初日に鈴木がウドムチョク相手にセットカウント1-2の第4セット2-5からの大逆転勝ち。3度のマッチポイントを跳ね返したのですから、鈴木のメンタルの強さは感動的です。

 1勝1敗で迎えた二日目のダブルスでもトーマス嶋田の引退に伴い久しぶりに代表チームに復帰した岩淵と組んだ鈴木が見事に3-1で勝利して王手をかけます。そして最終日、エース対決となった鈴木vsスリチャパン戦でも鈴木は完璧なプレーでストレートでスリチャパンを下し、日本の3勝全てをひとりであげたのです。

 フェド杯、デ杯とも劣勢を覆した感動的な日本の大勝利。これがもしサッカーなら国中を挙げて大騒ぎ間違いなしというところでしょうし、森上や鈴木は今ごろマスコミで取り上げられまくる大ヒーローでしょうが、残念ながらテニス人口はサッカー人口を上回っても、「見る」スポーツとしては大きく劣るのが日本の現状。誰も彼らの偉業を知りません。シャラポワだけがテニスプレーヤーじゃないんですけどねぇ。

 もっともJリーグが生まれる前の日本サッカーも似たようなものでした。あの頃も誰も知らないところで日本代表は韓国やタイと戦っていました。当時は田園コロシアムで行われていたデ杯の方がサッカーW杯予選よりもスポーツニュースでは大きく扱われていたんですけど、今の若者には信じられないかも。


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