エコロジーを目指して始めたはずの「クールビズ」ですが、今のところデパートなどが「クールビズ」と「父の日」を結びつけて商売に役立てようとしているだけで、実際にそんな格好をしてウロウロしているサラリーマンはまだあまり見かけません。当然、オフィスの室温が上がったかどうかも怪しいものです。

　当然のごとく泣いているのはネクタイ業界らしく、一番の需要期である父の日商戦を前に「ノーネクタイ」なんてことを官民あげて推奨されてしまってはたまりません。報道によると「室温を上げたいのなら空調機器メーカーに言えば良いだろう」なんて支離滅裂なことを業界幹部が言っているようですが、まあ死活問題だけに同情は禁じ得ません。

　さて、官庁だけではなくトヨタはじめ大企業もクールビズを推奨していくという話ですが、実際、日頃ファッションに興味がなく奥さんの用意した背広を着ているだけの中高年サラリーマンはどうするんでしょう？

　さすがにスーツからネクタイを外しただけというファッションではカッコ悪すぎると思うのですが、ただ現実のオフィスではいつお客さんが来たり自分が客先に出向くことになるかもわかりませんし、そうなるとあまりくだけた格好で出社するわけにもいかないでしょう。せいぜい頑張ってボタンダウンのシャツくらいにでしょうか。それならいざという時はネクタイを締めて出陣、ということもできますが、ポロシャツやヘンリーネックのＴシャツでは何ともなりませんからね。

　でもどうせボタンダウンのシャツを着るなら、やはり昔取った杵柄でアイビーで決めたくなるのが中高年の心情というもの。もしかしたら、この夏は紺ブレ着たトラッドおやじが増殖するかも知れません。ＶＡＮの創始者石津謙介が先日亡くなったばかりですが、これで良い供養になるかも。あ、でも紺ブレにレジメンタルタイなんかしたら、全然クールビズじゃないなぁ。暑くてやってらんないや。

　ちなみに僕は今年はポロシャツ出社が増えそうです。ここ最近だけでもう４枚もポロシャツ買ってしまいました。