幹事クリタのコーカイ日誌2005

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6月16日 ● リメイク版『赤い疑惑』。

 僕は山口百恵の大ファンです。「でした」ではなく現在形。もっとも今はもちろん百恵ちゃんは芸能活動をしていませんから、当時の映像などがテレビで流れれば食い入るように見ているくらいですけど、とりあえず生涯心のアイドルは百恵ちゃん一筋を貫き通す覚悟でいます。

 で、山口百恵と言えば「赤いシリーズ」。TBS系列で放送されたドラマで第1作は1974年の『赤い迷路』でしたが、シリーズの人気を決定づけたのは何と言っても三浦友和とのゴールデンコンビで話題になった2作目の『赤い疑惑』。その後の『赤い運命』『赤い衝撃』と続く3本がこのシリーズの白眉でしょう。

 ドラマとしては『赤い運命』が一番ドラマチックで面白かったのですが(演出は降旗康男)、この作品は三国連太郎の怪演と秋野暢子の憎まれ役がはまり過ぎてしまい、百恵ちゃんが食われてしまった感があったのが残念。それに何と言っても相手役が三浦友和ではなく新人の南条豊でしたし。

 『赤い衝撃』はドラマ冒頭の百恵ちゃんの陸上ランナー姿が眩しかったものの、これは父親役が宇津井健ではなく中条静夫で、これまた演技が過剰で当時としても「ちょっとな」と思ってしまいました。

 そういう訳で、やはりシリーズ中のベストは『赤い疑惑』に落ち着きます。キャストも主演の山口百恵を始め、宇津井健、三浦友和、岸恵子、長門裕之と豪華。ただ母親役の八千草薫が途中降板して渡辺美佐子に変わってしまったのだけが残念でした。

 「赤」は血を表していて、ドラマ全て鍵になるのは出生の秘密。そこに不治の病やら不慮の事故やら親の因縁やらが今の韓流ドラマのようにあれこれ絡んできてヒロインはどろどろになっていくのですが、薄幸の少女が当時山口百恵以上にはまるアイドルはなく、大人気ドラマとして成功したわけです。

 で、そんな蘊蓄というかどうでもいい知識を披露したくなるほど百恵ファンの僕としては、当然昨夜から始まったリメイク版『赤い疑惑』は要チェック!ホリプロの後輩にしてポスト百恵の筆頭石原さとみが主演、宇津井健→陣内孝則、三浦友和→藤原竜也、岸恵子→高橋恵子、八千草薫→田中好子、長門裕之→内藤剛志。まあまあのキャスティングですが、全体に脇の俳優陣、特に母親が老けすぎ。17才の女子高校生の親の世代は40代半ばでしょ。まして当時は20代前半で子ども生んでたんだから30代でもおかしくありません。

 それにもう一息豪華さが欲しいですね。陣内孝則じゃなくて唐沢寿明、高橋恵子じゃなくて黒木瞳、内藤剛志じゃなくて佐藤浩市くらいのキャスティングだったらもっと納得いったんですけどね。ただ半分コントのような作品になっていますから、それだけの俳優を使う意味もないのかも知れませんが。

 で、ドラマ自体ですが、まず設定を当時と同じ1970年代にしたのは正解でした。このドラマは当時じゃなければ成立しませんから、『白い巨塔』のように現代に移植するのは無理。また台詞も演出も音楽も当時と同じように忠実に再現しているのも素晴らしい。そういうところだけ現代風にしても意味がないです。内容がすっかり今の時代とはずれているんですから。

 石原さとみはなかなか好演していました。雰囲気も百恵ちゃんと似ていて違和感もそれほどありません。衣装もセットも忠実にあの頃を再現しようと頑張っていましたが、どうしてもダメなのが藤原竜也。あまりにも彼だけ21世紀なのです。まず髪型がダメ。どうして七三分けじゃないんでしょう?服もダメ。当時ポロシャツをズボンの中に入れない好青年なんていません。せっかくヒロインが一生懸命「ダサ可愛い」世界で頑張っているんだから、相手役ももっとダサくしてくれないと。

 突っ込みどころがいっぱいなのは大映ドラマなんですから当然なんですが、それでも見せてしまうパワーこそが命。そういう意味では良い線はいってるけど、まだ吹っ切れていないかも。2話目に期待したいと思います。

 ああ、ちなみにこの後は綾瀬はるかと深田恭子で「赤いシリーズ」がリメイクされるそうですが、うーん、フカキョンはいくらなんでも無理があるんじゃ?


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