幹事クリタのコーカイ日誌2005

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5月21日 ● 恋愛は共通点探しなのか。

 テニスをしていると、よく独身女性が「一緒にテニスができる男性が良い」と言うことがあります。夫婦でミックス大会に出場しているペアを見て「いいなぁ」と羨ましそうです。しかし、既婚テニス愛好家からすると、必ずしもテニスが共通の趣味であることが理想とは限らないのです。

 若い経験の浅い独身者には、とにかく何でもかんでも共有することが恋愛だと思っている人がいます。好きな音楽、好きな映画、好きな食べ物、好きな車、好きなスポーツ、好きなファッション、好きな場所。そういうものが一致すれば、確かに付き合い始めの頃は盛り上がりやすいことでしょう。それは最初の距離を一気に縮めるために役に立ちますし、二人の間をより緊密にもします。

 合コンでもお見合いでも、まず知り合った男女は共通点を探します。それが見つかれば話の糸口になるし、仲良くなるツールになるからです。それに確かに好きなものが似通っているということは感性も近い可能性が高いですからうまくいく確率も高いでしょう。

 しかし、そうやって共通点探しばかりに熱中してしまうと、ともすると恋愛というのはお互いの共通点を増やすことだと勘違いしてしまいがちです。自分の好きなものを相手にも好きになって欲しい気持はわかります。しかしそれが高じて相手に趣味を押しつけてしまったり、相手が自分の趣味を理解しないからダメだと思ってしまったり。そういう人は、趣味を見ているだけで相手を見ていません。大事なのは相手の本質にあるにも関わらず、それが見抜けないために、共通点が多いことで安心しようとしてしまうのです。

 ところがすっかり二人が馴染んでしまった時、全て趣味嗜好が似通っていると今度はお互いに煮詰まってきたりします。似すぎていて風通しが悪くなり自家中毒を起こすのです。それよりも、お互いに自分の世界をきちんと確立し、自立し認め合う関係でいた方が実は長続きするものです。その時、決して共通点はたくさんはいりません。ひとつかふたつ一緒にできる趣味があれば十分なのです。

 だから付き合っている時にテニスが共通の趣味というのは確かに悪くはありません。しかし、女性は結婚をすれば出産する可能性が高く、そうなると妊娠がわかってから育児している期間はテニスができなくなります。丸々3〜4年のブランクは覚悟しなくてはいけないのです。その時、テニスが共通の趣味だと揉めるんですよね、大抵。なにせ夫が「関係ないよ」とばかりにさっさとテニスに出かけてしまえば妻の恨みを買うこと間違いなしですから。かと言って一緒に3年間のテニス断ちを快くできるほど人間ができた夫も少ないでしょう。結局、どうやっても夫婦関係に亀裂が入ることになるのです。

 付き合っているだけならテニスが趣味の男女はメリットが多いと思います。練習のパートナーになるし、ミックスダブルスの大会にも出場できます。泊まりで行われるミックスの大会は、夫婦や恋人の方が参加しやすいですし、旅行に行ってもテニスをするというアクティビティが入ることで旅行の楽しみも増えます。ただ子どもが欲しければ、テニスが趣味な人と結婚するのはよく考えた方が良いと思いますよ。大半の奥さんは「テニスウィドウ」になってしまいますから。


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