幹事クリタのコーカイ日誌2005

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2月4日 ● 時には甘やかすのも良い。

 倉本聰脚本のドラマ『優しい時間』の中で、寺尾聰演じる主人公が「オレは人に厳し過ぎるのかな」と呟いていました。借金を頼んできた常連客、ウエイトレスの女の子、そして妻を死なせた息子に対する自分の態度を反省して。もちろん、ドラマの中で彼は厳し過ぎるわけではなく、きちんと筋を通しているだけですし、恐らくその厳しさこそが本当の優しさであるということなんだろうと思いますが、僕としてはドラマを見ながら「もう少しスキを見せてはどうか」とも思いました。

 筋の通った厳しさは、結局本人のためになる優しさだというのは正論ですが、人間実際にはそう筋書き通りにはいきません。ドラマの中でもそのために主人公に借金を断られた常連客が自殺をしてしまいました。厳しい優しさは通用しなかったのです。

 「優しくする」ことと「甘やかす」ことは別モノですが、時には「甘やかす」ことでしか救えない場合もあるでしょう。例外とか超法規的措置とか、とにかくそういう「スキ」や「抜け穴」がないと息が詰まって苦しくなってしまいます。

 以前見たイタリア映画の中で「イタリアでは愛人は甘やかすものだ」というような台詞がありました。僕は思わず目からウロコがポロポロと落ちた気がしたものです。いや、愛人をどうこうということではなく、「そうか、世の中には甘やかすことが正しい場合もあるんだ」と悟ったのです。

 愛人であれ子どもであれ友人であれ、無分別無自覚に甘やかすのはバカのすることですが、わかって甘やかすのはOK。甘やかした結果を予測し、それについて責任を取る覚悟が最初からあれば問題ないのです。特に愛人と孫(ついでに姪っ子)は、甘やかしてナンボだと思うし、それが醍醐味なんですから。

 まあ倉本聰も恐らくそれくらいのことはわかっていると思うので、きっとドラマの主人公にもそういう転機が訪れるのではないかと予測しています。『北の国から』の五郎さんがそういう「スキがある人」だったしね。


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