幹事クリタのコーカイ日誌2005

[ 前日翌日最新今月 ]


 
1月19日 ● 浮気する遺伝子。

 月曜日に始まったドラマ『不機嫌なジーン』で、浮気の原因を利己的遺伝子のせいにする内野聖陽演じる男性の生物学者が登場します。男が浮気をするのは、自分の遺伝子をとにかくたくさんばらまきたいからだ、という説で浮気の言い訳をします。世の中には昔から「一穴主義」を標榜する男性もいますし、浮気するのは男だけではありませんから、浮気の全てを遺伝子のせいにするのはどうかなと思いますが(むしろ男の浮気は社会的要因の方が大きいような気がします)、まあ話としては「全ては遺伝子のせい」は面白いかも知れません。

 では利己的遺伝子のせいで男が浮気をするのだとしたら、女性の浮気はどう考えるべきなのでしょう?こちらは遺伝子をばらまきたいわけではないだろうに、派手に男性遍歴を重ねている女性はいくらでもいます。むしろ20代においては元気のない「いまどきの若い奴」よりも、女性の方がはるかに積極的ではないかと思うくらいです。少なくとも性の倫理感においては、男女の差は今やほとんどないと僕は感じています。

 もし現代の女性が積極的に男性遍歴を重ねていることを利己的遺伝子説で考えると、それはやはり「より優秀なオス」を探してのハンティングなのではないかと考えられます。つまり自分の遺伝子と結ばれるべきより良い遺伝子を求めて女は行動しているのです。「金がある」「頭がいい」「力がある」「顔がいい」男をつかまえてその特質を受け継いだ子どもを生めば、自分の遺伝子は次代も安泰です。そんな男がいないかと思って、女性たちは次々と男を乗り換えているのです。

 ただ、現代においてはこれらの特質は子どものためではなく、女性自身が楽しく気持ちよく生きるために必要な要素と化しているから話が見えにくくなっています。「一流企業のエリートでスポーツマン」に女性が惹かれるのは、実は優秀な子孫を残すためなんですが、その女性が安楽な生活をするためと勘違いされているのです。打算的なタカビー女と思われている女性たちは、実は利己的遺伝子の言うことに素直に従っているだけなのに。

 などと、利己的遺伝子説に乗っかって書いてみましたが、どうもやはり自分で書いていても胡散臭いですね。ただ、女性がどんどんこれまでの枠(年齢差だとか国籍だとか結婚歴だとか不倫だとか)を取っ払って、より良い男をターゲットにし始めている現象は確かにあると思います。要は「なんでもあり」なだけですが。これは利己的遺伝子のせいではなく、社会的な要因です。「男女間の規制緩和」が進んで、女性が「ああ、こういうことまでしてもいいんだ」と思い始めたのです。

 そして流行の「勝ち組」「負け組」の差が男性においても以前よりはっきりしてきたことも、この現象をヒートアップさせています。つまり、数少ない「勝ち組」男をつかまえようとして女性が従来規制されてきたつまらない枠組をどんどん乗り越え始めたのです。いろいろ障害はあっても、やはり「勝ち組」男の方が魅力的だし、そういう男を捕まえることで自分が「勝ち組」になろうという世の中になったということです。生物学ではなく社会学、もしくは経済学の問題です。

 今や女性は「子宮」でモノを考えなくなってきたのかも知れません。と言うか、何でも「子宮」発想というのも女性にしてみれば失礼な話だと僕は思います。それじゃあまるで女性は頭で考えてないみたいじゃないですか。

 

とりあえず、読むたびに(1日1回)

を押してください。 日記才人という人気ランキングに投票されます。
初めての方は、初回のみ投票者登録画面に飛びます。
結構更新の励みにしていますので、押していってくださると嬉しいです。