幹事クリタのコーカイ日誌2004

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12月30日 ● 腹が立った時。

 最近の若者は「切れやすい」という話を聞くようになって久しいですが、若者だけではなくオジサンでも時々切れている人を見かけます。先日もとあるお店で店員を怒鳴っている中年の男性がいましたが、カルシウムが足りないのかなぁ、なんて醒めた目で見てしまいました。もしかしたら、本人としては「オレをなめるなよ」的な威嚇をしているつもりかも知れませんが、かえって「器の小さい人」にしか思えないので逆効果のような気がします。かなりカッコ悪いです。

 とは言え、僕だって日常生活の中ではむかつく事、腹の立つ事がないわけではありません。仕事はもちろん、プライベートでもウマの合わない人はいますし、また好きで親しく付き合っていて心を許しているからこそ、こちらの期待に応えてもらえずに腹が立つということもしばしばあります。

 元々嫌いな人に腹が立った時は、余計気持ちが醒めてクールになってしまうので、あまり話がこじれることはありません。バッサリと切って捨てればいいし心も痛まないのでむしろ楽です。しかし好きな人に腹が立った時は、感情のコントロールが難しいので大変です。

 好きなだけにこちらも期待をし、もっと言えば依存もしています。それはしばしばこちらの勝手な期待なわけですから、相手だってそれに応えられないことはいくらでもあるでしょう。しかし、こちらの期待が大きいだけに、意に沿わなかった時の反動も大きくなってしまうのです。

 若い時はそこで暴発してしまい、好きな相手ゆえに感情がこじれて関係の修復が大変になったことが何度もありました。相手にしたらどうして怒っているのかさえ理解できないこともあったと思います。なにせ妙なプライドだけはあるものですから、自分の気持ちをきちんと説明しようともせず、それをわからない相手が悪いと決めつけたりしていました。心を開いてオープンに話さなければ、相手だってわからないということがわからないのです。思えば本当に子どもでした。

 実を言えば今でもそういう子どもっぽい部分はもちろん残っています。ただ、今は極力それを外に出さずに平静でいようと努力しています。最初に書いたように感情をコントロールできないのはカッコ悪いと思っているし、怒っても結果としてほぼ間違いなくマイナスにしかならないからです。

 自分が怒っていること、気分を害したことを相手に伝えるのは実は難しい作業です。ストレートに怒りをぶつけても、相手は怒っている「状態」は理解できても、その「理由」を納得してくれることはまずありません。衝突する時はお互いに言い分があるわけですから、一方的に怒られて素直に反省する人はまずいません。怒りは相手の気持ちを強張らせ遠ざけるだけです。

 カッとなったら、まずその言葉を飲み込んで、できたら一晩経ってからどう言うか考える。大切に思っている相手ほど、落ち着いて冷静に、そして丁寧に自分の気持ちを伝える。怒っている理由を相手がわかるように努力する。不惑を過ぎて、ようやく怒り方も少し大人らしくなってきたかなぁと思います。まあ不惑と言っても、来年はもうゾロ目ですけどね。大人になるのも時間がかかります。


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