幹事クリタのコーカイ日誌2004

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12月25日 ● バブル期の思い出話。

 クリスマスシーズンになると、巷でもweb日記でも「バブルの頃のクリスマスはすごかった」という思い出話があちらこちらで語られます。まあ確かに常識を逸脱した光景も散見されたのですが、どうもよく話を聞いていると、本当に伝説的に語られているような豪遊(&苦労)していた人は実はほんの一握りで、語っている人の多くは、単に人づてに聞いた話や、雑誌などで書かれていた話をそのまま喋っているだけという場合も多いようです。

 僕はバブル期にもっともバブリーなことをしていたと噂される広告代理店の人間ですが、世間で思われているほど無茶苦茶ではありませんでした。なにせクリスマスの時期というのは年末の追い込み時期で、ちゃんと仕事していたらそうそうバカ騒ぎなんてしている暇はありません。一部に目立つ人間がいると、それが噂となって広まっていきますが、大半の社員は真面目に仕事をしていたと記憶しています。

 とは言え、僕も人に話す時は受ける方がいいですから、やはり都市伝説的にバブル期の乱痴気騒ぎっぷりを面白おかしく話したりはしていますから、五十歩百歩ではあるんですけどね。特に当時を知らない若者に話す気分というのは、かつて戦争体験を話していた昭和ひとけた世代と同じような感覚なのかも知れません、と言うと、戦争とバブルを一緒にするなと怒られそうですが、「お前たちは知らないだろうけど」と言う時の気分はきっと一緒だと睨んでいます。

 この「知らないだろうけど凄かったんだぜ」話と言うのは、いろいろなパターンがあります。その世代が共有した強烈な体験が、伝説となって語られていくのですから。東京五輪やビートルズ来日もそうですし、安保闘争、オイルショックに浅間山荘事件、よど号ハイジャック、大阪万博、札幌冬季五輪、長嶋茂雄にハイセイコー、キャンディーズ解散。恐らく阪神淡路大震災やオウムサリン事件、9.11、ドラクエの行列、キムタクや冬ソナやイチローもそうやって語られていくのでしょう。

 遅れてきた世代にとっては、どうやってもリアルな体験というのには太刀打ちできません。恐れ入って拝聴するしかないのですが、あまり偉そうにオジサンオバサンに語られても内心「もう耳タコだよ」と思っていることでしょう。バブル期のクリスマス話も、きっと20代にとっては「いい加減にしてよ」な話じゃないかと感じる今年のクリスマスでした。


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