４５才にして初めて恋を知った男・Ｍっちゃんとまたランチしました。もちろん興味は「雌豹」というとんでもないあだ名を持つ最近Ｍっちゃんがほれ込んでいる女性とのその後。前回はデートをドタキャンされたけど、先週土曜日は無事に松阪までドライブして「松阪牛焼肉デート」できたそうです。うーん、美味しそうでいいなぁ。僕もＭっちゃんにご馳走してもらいたいです。

　ところで注目のクリスマスプレゼントですが、なんとＭっちゃんは僕たちのアドバイスにも関わらず当初の予定通りにiPodとBOSEのスピーカーのセット合計10万円也にするというのです。あれほど10万円も出すならブランドもののバッグにしろと言ったのにどうして？と聞いたら、「いや、メールで彼女に聞いたんだよ。iPod＆スピーカーと１０万円のバッグとどっちが良いか正直に言ってって。そうしたら「わたしはヤマタツ（山下達郎）が聞ければそれでいいから」って言うからさ」だって。

　もうバカです。大バカです。それは遠慮しているに決まってるじゃん。もしくは遠慮している「振り」をしているに決まっています。そもそも彼女はBOSEのスピーカーが７万円もするなんて思っていないことでしょう。電気製品オンチらしいので、BOSEというブランドさえ知らない可能性が大です。きっとiPodと合わせてもせいぜい５万円以下だろうと思っていると考えられます。それと１０万円のバッグを並べてどっち？と聞かれたら、普通の神経をした大人の女性ならばいくら欲しくても「１０万円のバッグ！」なんて恥知らずなことを言えるわけがありません。せめて同じ予算のものにしろよ、なんて内心毒づきながら、しぶしぶiPodと答えたに違いないのです。電気製品にさして興味がない女性にブランドのバッグとどちらが欲しいか、なんて聞くだけヤボです。ヤマタツが聞ければそれ「で」いい、という答えだけでも、十分に彼女の本音は推察できます。

　しかし、Ｍっちゃんはそんなこともわからなかったようで、僕たちに指摘されてショックを受けていました。「えー、だったら正直に言えばいいじゃん」なんて言っているから、恋愛初心者は困るのです。「だってオレが今まで付き合ってきた女はみんなそこでバッグって言うよ」だそうです。それはそれだけの付き合いだからです。またそんな女としか付き合ってこなかったからともいえます。この男ときちんと長く付き合っていこうとは思っていないから、貰えるモノは貰っておけ、という「刈り取り」作業に入っているだけで、雌豹さんはまだしばらくＭっちゃんと付き合うつもりだから敢えて高価なバッグにいかないのでしょう。高過ぎるプレゼントのやり取りは往々にして二人の関係をギクシャクさせるものです。

　それで彼女はどんなバッグを持っているの？とＭっちゃんに聞いたら「いや、よくわからないけど、なんか１５万円くらいしたっていうバッグを持っていた。仕事で面白くないことがあった時にむしゃくしゃして買ったって言ってたけど」と言うので、やはり雌豹さんも普通の女性並みにバッグ好きなことがわかります。

　それに彼女は親から援助を受けずに自分の収入だけで子どもとの生計を立てていると言っているそうですから、もしそれが本当なら、そのバッグもどこかの男に買ってもらったという可能性も十分です。電気製品ばかりプレゼントする「Ｍ電気店」に対抗する皮革製品プレゼント専門の「○○カバン店」が存在したって不思議ありません。まあだったらクリスマスプレゼントでバッグはその男から貰うつもりだから、ＭっちゃんにはiPod「で」良い、と言ったのかも知れませんけどね。

　僕たちの話を聞くにつれて、１０万円の投資があまり大した効果を上げない上に、もしかしたらライバルもいるかも、と理解したＭっちゃんは動揺しまくり。例によって目がおどおどと泳ぎ始めてしまいました。「いや、オレだって長年おねえちゃん遊びをしてきたから、それなりに女を見る目はあると思うんだよ。彼女はそんな風には思えないんだけど」と言うので、それは今までと目的が違うから成立しないよ、カラダだけが目的なら冷静に見ることができたかも知れないけど、ココロが欲しいと思っている今は見る目が曇って相手の気持ちが全然見えていないんじゃないの？と言ったら、「そうか、そうだよな」とまたまた落ち込んでいました。

　はまりにはまっているＭっちゃん。ここからクリスマスに向けて起死回生の一手はあるのか？実は我々ブレーンは今後の「対雌豹」クリスマス戦略についてプレゼンテーションをしたのですが、それはまた明日（多分）に。