幹事クリタのコーカイ日誌2004

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11月1日 ● テレビドラマ三題。

 現在僕が見続けている連続テレビドラマは3本。日曜日の『新選組』、月曜日の『ラストクリスマス』、土曜日の『美しき日々』です。“大河”“月9”“韓流”と王道と言うか、わかりやすい3本です。

 この3本は単にわかりやすいキャッチフレーズがついているというだけではなく、内容もまた典型的にわかりやすいドラマです。『新選組』は三谷幸喜が書く確信犯的な時代劇(歴史劇ではありません)、『ラストクリスマス』は80年代のトレンディドラマのオマージュとして作られている確信犯的な時代錯誤の恋愛ドラマ、『美しき日々』は大袈裟な韓国ドラマでこれだけは確信犯とは言い難いですが、少なくとも見る側はそういう捉え方で見ているドラマです。

 どれも突っ込み所が多く「そんなことあるかよっ!」と言いながら見ることができる楽しい作りになっていますが、それでも見続けているのは、いずれのドラマにも「力」があるからです。なんだかんだ言いつつも、見せてしまうパワーがあるドラマだと思います。

 この「力」というのは表現を考える上で極めて重要なファクターです。ドラマにおいて、破綻のない構成、練りに練られた脚本、完成度の高い演出、達者な役者。こういうクオリティの高い作品が必ずしも見ていて面白いとは言えないことがあるのは、いくら完成度が高くても人を惹きつける「力」がないから。逆に無茶苦茶で粗が目立つ作品でもパワフルで面白いものはいくらでもあります。

 これはドラマに限らず映画でも芝居でも小説でもマンガでも、またスポーツでもお笑いでも一緒です。新人作家のマンガなんて絵は下手くそだしまとまりはないし読みにくいこと甚だしい場合がほとんどですが、それでも魅力があって面白いということがあります。完成度の高いつまらないプロ野球よりも下手だけど目が離せない高校野球、巧いとは思うけど退屈な落語よりも、滑舌は悪いけどギャグの飛距離で稼ぐ若手漫才コンビ。

 ましてや僕が見ているドラマ3本はいずれも一流のスタッフが作り込んでいるわけですから、技術的にももちろん一流です。その一流スタッフが完成度よりもパワーを考えて作っているんですから、ツボにはまれば面白いことは間違いありません。

 後はその「ツボ」にはまることができるかどうか。特に異文化である『美しき日々』は『冬のソナタ』よりもさらに辛い部分があります。東海テレビの一連の昼ドラ(『真珠夫人』『牡丹と薔薇』など)を見るような視点で見ないと面白いとは感じられないかも知れません。

 そうそう、同じ流れで考えると『大奥〜第一章〜』もパワーがあって面白いと思いますが、残念ながら僕の好みではないので外してしまいました。松下由樹と高島礼子というオバサン対決に食指が動かないというのもありますが、男優陣が魅力的でないということも大きいかも。男は男に厳しいですから。


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