イチローが見事にメジャーリーグの最多安打記録を更新しました。第一打席でタイ記録、第二打席で新記録。いとも簡単にあっさりと記録を作ってしまうところがとてもイチローらしい感じでした。本人の内面では「簡単」でも「あっさり」でもなかったのかも知れませんが、見ている方にはそう感じてしまうくらいイチローらしいクールな記録達成でした。

　日本で最多安打記録を作り、その後なんと７年連続首位打者、そしてメジャーに移っても１年目から首位打者、盗塁王、ＭＶＰ。もうイチローにやることはないのかと思ったら、メジャーリーグ最古の記録と言われる８０年前の大記録を更新してしまいました。

　こうなると、次なるイチローのターゲットはなにか？恐らく期待は打率４割でしょう。日本では過去に誰も記録しておらず、メジャーでもテッド・ウィリアムズが1941年に達成したのを最後に絶えて久しい大記録です。今季これだけイチローがヒットを積み重ねても打率は３割７分台。４割を打つためには多分今季のように積極的にどんどん打ちにいくのではなく、もっとボールを選んで四球を増やすことが必要になると思います。

　イチローはヒットを望むファンの期待に応えるために敢えて四球を選ぶよりもヒットを打つことを課しているようですが、そうしているとどうしても難しいボールを打つことになりますし、打数が増えるので打率を伸ばすことが難しくなります。ヒットの数が減ることを覚悟の上で、打率アップに挑むのか、それともヒットを打つからこそイチローだと考えて、さらにバットコントロールに磨きをかけ、安打記録を伸ばすのか。いずれにしてもイチローは孤高の大打者へとさらに苦しい戦いを自らに強いることになるのでしょう。