全米オープンテニスの女子ダブルスで準決勝まで勝ち上がっていた杉山・ディメンティエバ組が棄権しました。ディメンティエバがシングルスでも決勝に進出したものの、足を痛めてしまいダブルスと両方戦うのは無理という判断だったようです。シングルスですでに負けてしまっている杉山としてはダブルスしかなかったのですから、仕方ないとは言え残念な棄権負けでした。

　杉山は本当はこの大会でクリスターズとペアを組む予定でした。かつてウィンブルドンと全米を制覇しているペアですから、実現していればかなり優勝の可能性が高かったと思うのですが、クリスターズの故障が治らず不参加だったために、急遽ディメンティエバと今大会限りの即席ペアを組んだのです。

　ただこの即席ペアもなかなか良い感じでした。試合を重ねるごとに息もあってきていたので、準決勝の第１シードペア相手でももしかしたらいけるかも、という可能性はあったと思います。杉山は女子テニス界でもその動きの早さ、ボレーの巧みさではトップクラスです。だからクリスターズやディメンティエバのように強力なストロークを持っていて相手を押し込めるペアと組むと、杉山の長所が生かされるのです。

　我々のような素人でもそうですが、ダブルスではチャンスを作るのが得意な人とポイントを決めるのが得意な人がいます。その役割分担がうまくできていると強いペアになります。ダブルスを大事にする杉山に、この先良いペアが見つかるといいのですが。