幹事クリタのコーカイ日誌2004

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9月11日 ● 二股今昔物語。

 携帯電話もインターネットもなかった頃、付き合っている男女の連絡手段は極めて限られていました。基本はそれぞれの家の電話。しかし、当然家族の電話だけに独占できないし、電話するタイミングや家族(特に相手の両親)への対応などにとても気を遣ったものです。

 それ以外の通信手段と言えば郵便くらい。時には友人による伝言というのもありました。僕は昔、こっそり付き合っているはずの女の子との待ち合わせ場所に、その女の子の職場の男性が現れて「彼女、今日来られないそうです」と伝言された時には二重にショックでしばらく立ち直れませんでした。

 それだけ恋人同士での連絡が不自由だということは、逆に言えば相手が何をやっているのかわかりにくい、すなわち相手の目をごまかしやすいということでもあります。瞬時に連絡が取れる携帯電話もメールもないのですから、何をしていようと後で言い訳がいくらでもできます。要するに、昔は浮気が今よりもはるかにしやすかったのです。

 今は二股かけていたって、相手に疑われたら最後、かなり慎重にやらなければすぐに尻尾を捕まれてしまいます。簡単に連絡は取れますが、その分証拠もたくさん残しています。ところが昔は二股どころから平気で三股、四股できました。僕のような正直者でさえ、独身時代はそこそこできましたから(別に悪意があってそうなった訳ではなく、結果としてそういうことになってしまったわけで、ブツブツブツ)、「やり手」の女の子の中には八股という強者の話さえ聞いたことがあります。それだけ重複していても自分の中で話の整理さえできていれば、意外に感づかれないものでしたし、誤魔化しができる時代でした。

 あの頃に比べれば、今の若者の恋愛はある意味ピュアでかつ不自由なものなのかも知れません。通信手段の発達は、愛し合う二人に確実に恩恵をもたらしていますが、時としてそれが逆に足枷にもなっているのだとしたら皮肉なものです。


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