ＮＨＫ衛星第２放送で『ＢＳアニメ夜話』という番組がスタートしました。もちろん人気の『ＢＳマンガ夜話』のアニメ版です。なにせ題材がアニメだけに、マンガ夜話よりもさらに「おたく度」アップ。昨晩の放送で取り上げたのは『銀河鉄道９９９』劇場版。最初だけにかなり意識して「おたくっぽさ」を抑えている様子ながら、それでも番組はそこかしこに独特の雰囲気を醸し出していました。

　『銀河鉄道９９９』が劇場公開されたのは1979年。ちょうど僕が大学に入った年の夏で、夏休みで帰省していた高校時代の友人と２人で見に行きました。とにかくそれまでのアニメとは次元の違う映像の美しさに圧倒されたことを覚えています。

　それに加えてゴダイゴの主題歌。当時大ヒットしましたが、映画の「少年の成長と旅立ち」というテーマに見事に合致していてラストシーンに感動したものです。映像と音楽のパワーというのは、映画でもっとも感情を震わせる要素です。その後の理屈っぽいアニメ作品よりも印象に残っているのも当然です。

　番組では僕と同世代のアニメ評論家（と言うか、アニメおたく）たちが、それぞれにこの映画の魅力を語っていましたが、１８才の夏に同じ体験をした僕としては思わず「うんうん」と頷いてしまうところも多く見応えのある内容でした。

　ただ番組出演者たちはこの作品を見てアニメの世界にさらにのめり込んでいったようですが、僕はアニメというよりも映画として感動したので、むしろその後のアニメにはそれほど思い入れはできませんでした。

　今後番組ではガンダムや明日のジョーなど名作と呼ばれるアニメ作品を次々と取り上げていくようです。特別なアニメファンではないですが、この手の「濃い」話は好きなので時間のある限りは見ようかと思っています。