幹事クリタのコーカイ日誌2004

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7月29日 ● 大衆迎合しないプロ野球とは。

 巨人の選手会が他球団に続いて合併凍結、2リーグ維持のための署名活動に入ると言ったところ、ナベツネが「高橋(選手会長)は若いからモノを知らないから仕方ないが、大衆迎合的なことをしちゃいかん」などと言ったそうです。相変わらずナベツネ語録は切れています。

 高橋由伸と言えば慶応を出てそれなりにキャリアも重ねた大人ですし、しかも自分の球団の生え抜きのリーダーです。それをオーナー自ら「モノ知らず」呼ばわりするとは、一体巨人の選手はどれほどバカなのか、またこれまでどんな教育を選手にしてきたのかと思います。高橋はこんな侮辱をされて腹が立たないんでしょうかね?「たかが選手」発言と同じくらい選手をバカにしていると思うのですが。

 そしてそれ以上に不思議なのは「大衆迎合」しないプロ野球。ナベツネは誰に向かって野球を見せているつもりなのでしょう?プロ野球は一部の「高級知識人」のためにやっているのですかね?ルールが難しくて歴史もあるスポーツだから、一般大衆は見なくていいと。イギリスで上流階級はラグビー、庶民はサッカーと分かれているように、日本でも上流階級だけが野球を楽しめば良いと言うことでしょうか。

 それにしても、もはや誰が見たってナベツネが1リーグ制に向かって驀進しているのは明白ですし、既成事実を積み重ねていけば「抵抗勢力」も従わざるを得ないと「小泉流」をナベツネが踏襲していることも明らかです。そして巨人戦欲しさにパ・リーグ各球団もナベツネのシナリオに思いっきり乗っています。逆に阪神を始めセ・リーグ各球団が2リーグ維持を主張しているのも、ファンのためではなく巨人戦という「既得権益」を守ろうとしているだけなのが見え見えです。

 どちらを向いたってエゴとエゴ、そろばんと電卓のぶつかり合い。そりゃ「大衆」のことなんか考えていられません。数字だけがオーナーたちにとって全てなのですから。そして最後に勝つのはやはりナベツネでしょうね。セ・リーグのオーナーたちも「じゃあ巨人はパ・リーグと一緒にやる」と言われたら慌てるのは目に見えています。

 例えば今のパ・リーグが4球団になってそこに巨人が加わって5球団、残るセ・リーグも5球団の2リーグ制だって可能なわけです。双方1球団ずつ余りますから、その余った球団が毎回交流試合をすれば、まさにぴったり、理想通り。10球団にしても2リーグ制は堅持できますし、交流試合も可能ですから、セもパもそれぞれの今の主張を生かして筋が通り文句はないはずです。

 しかし、もし巨人がパに移籍すれば、今度は巨人戦がガタ減りするセ・リーグの各球団が「1リーグ制」を言い出すことは間違いないでしょう。巨人抜きで理想的なリーグを作ってやる、なんて意気込みのあるオーナーがいるとはとても思えません。

 「大衆」のことなんか全然考えていないオーナーばかりの日本のプロ野球が、こうしてどんどんイメージダウンしていき、ますますファンが離れていくのはもはや仕方ないことなのかも知れません。Jリーグもダメ、大相撲もダメ、プロボクシングもダメ。日本のプロスポーツ全体が魅力を失っていきます。寂しいです。

 

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