名古屋のＣＢＣが制作しているローカル番組に『ノブナガ』という番組があります。吉本興業のタレントが出てくるバラエティなんですが、この番組の人気企画に「ワッキーの地名しりとり」というものがあります。

　ワッキーこと脇田寧人が、街ゆく人と地名しりとりをして、愛知・岐阜・三重の各県へどこでもいいから１カ所ずつ行けたらゴールという企画です。ただし、しりとりで言ってもらう地名は、その人が行ったことのある地名だけ。で、スタートしてすぐに愛知県と岐阜県は軽くクリアしたのですが、三重県がちっとも出ません。かくしてワッキーが日本全国を転々とはじめて、その大変さが受けて人気企画になったのでした。

　大変なのは「飛行機不可」というルールで、移動は全て陸路。そのため北海道だろうが九州だろうが丸一日かけてヘロヘロになりながら現地にたどり着きます。「ま」で「松島」なんて言われて、宮城県の松島まで何回も往復したりしていて本当に辛そうです。すでに旅を始めて３年以上。いつになったら終わるんだ！というその果てしない感じが素敵です。

　もっとも人気の原因はワッキーが単に苦労している様子だけではありません。その土地に行っては地元の人といろいろ触れ合って、美味しいものを食べたり知られざる観光地を見てきたりするドキュメンタリーな「旅番組」的要素もふんだんに盛り込まれているところも大きいのです。普通はこんな旅はできないよなぁと思うし、ワッキー自身も「本当に良い奴」という感じがよく出ていて、それもまた人気を支えている大きな要素でしょう。

　最近ではかなりこの企画の知名度も上がってきていて、時々「見ています」という人も現れるのですが、なぜか三重県の地名は言ってもらえずに、相変わらずワッキーは全国を転々としています。昨晩の放送では岩手県→青森県五戸町→静岡県伊東市→京都市→愛知県津島市となったところで終わりました。津島というのは愛知県でも三重県寄りのところなので、次週はいよいよ終わってしまうか、という期待がもてるわけですが、きっとまたどこかとんでもない遠くへ飛ばされてしまうんでしょうね。

　今や本まで出版されてしまったほどの人気企画なので、番組制作側も簡単には終わらせたくないことでしょう。視聴者としても「今度こそ三重県に行けるか」と思いつつ、まだまだ終わって欲しくないと思ってみています。