かつては本当に「真夏の夜の祭典」「ドリームゲーム」と謳われたプロ野球のオールスター戦も、最近はかなり色褪せてしまいました。もちろん、メジャーリーグに有力な選手が行ってしまったということもありますが、やはりそれよりもプロ野球自体に夢を感じられなくなってきたという理由の方が大きい気がします。

　とは言え、ペナントレース争いを占う上では、昔からオールスター戦は大事です。ここで活躍した選手のチームが後半戦に勢いに乗るのはいつものこと。そして今年のそれはセが中日、パがダイエーでした。

　中日勢の場合は、舞台がナゴヤドームであったということもあってある意味当然ですが、ダイエー勢の活躍は合併問題に揺れるパ・リーグにあって集中力を高く保っている証拠でもあると思います。現在のパは西武とダイエーのマッチレースになっていて予断を許さない状況ですが、最後は経験に優るダイエーが勝つのかなという印象を受けました。

　となると、日本シリーズは中日vsダイエー。この対戦は1999年の再現となります。あの時はあっさりダイエーの4勝1敗で終わってしまいましたが、今年の中日の粘りの野球は過去とはひと味違います。1954年の初優勝以来日本一がない中日としては、この最後になるかも知れない日本シリーズで何としても勝ちたいところです。今年日本一になれば50年ぶり。長すぎる雌伏の時です。

　もっとも、最後まで日本一を味わえずに球団が消えてしまうことになりそうな近鉄に比べればまだマシですけどね。