自民党退潮、民主党躍進という結果に終わった参院選。ある意味、これは予想通りの結果でしたから驚きはしません。「人生いろいろ」「年金法案強行採決」「多国籍軍参加」と選挙前に立て続けに自民党が犯した失策を考えると、もっとひどく負けるかもと思っていたくらいですから、「自民党健闘」とさえ僕は考えます。

　小泉首相は責任を取って退陣なんてことは恐らくしないでしょうが、選挙に勝てなければ自然と小泉の影響力は低下します。少しずつ「死に体内閣」へと変貌していくことでしょう。後継争いが今年後半から話題になってくるかも知れません。

　大きな流れはそういうことですが、僕が個人的に興味を持っていた鈴木宗男と辻元清美がともに落選したことは喜ばしいことだと思います。ムネオは北海道で人気のある松山千春が全面的に応援していましたし、キヨミも大阪で引退した西川きよしの票が流れ込むのではないかと言われていて、どちらも当選する可能性がありました。

　実際選挙結果を見てみると、落ちたとは言え両者とも接戦での落選です。もう少し投票率が上がって浮動層が動いていたらどうなっていたかわかりません。これをもし当選させていたら、北海道と大阪の選挙民の良識を疑うところでした。

　参院が「良識の府」だと言われていたのは昔のことで、今や単なる「第二院」にしか過ぎないのですが、それでもムネオやキヨミはあまりにも道義的に相応しくないでしょう。日本の民度も少しは上がったのかも知れません。