幹事クリタのコーカイ日誌2004

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6月12日 ● イオンvsシャープ。

 イオンとシャープが揉めた一件は、わずか1日で和解しました。この手打ちは双方にとってイメージダウンを免れて良い判断だったと思います。今回はお互いに自分の会社を守るための措置ですから、本来的にはどちらもどちらでした。ただ、このケンカ、明らかにやり方を間違えて損をしたのはイオンだったと思います。

 イオンはシャープが台湾の東元電機を訴えたことで「イオンブランドが傷つけられた」とシャープに高圧的な態度に出ました。それに対しシャープは「ご理解いただけたと思っていた。改めて説明したい」とあくまでも低姿勢でした。これはもちろんメーカーと流通の関係上仕方ないことなんですが、すでにこの時点で消費者の気持ちは「シャープ頑張れ!」となってしまい、逆にイオンは「たかがスーパーのくせに何でそんなに偉そうなんだ」と思われてしまいました。

 先般のイラク人質事件や北朝鮮拉致家族会見でもわかるように、とにかく今の日本人は「謙虚な弱者」は大好きですが、「主張する被害者」はバッシングの対象になってしまいます。

 ましてや今回の構図はシャープが日本の先端技術を守るために台湾メーカーを訴えているのに、イオンはその台湾メーカーを利用して金儲けをしているという印象になり、ますますイオンのイメージダウンは 避けられないところでした。

 しかし、以上はあくまでも感情論です。実は一般ユーザーにとってはシャープが儲けようがイオンが儲けようが関係ないはず。先ほども書いたように、メーカーと流通の関係では流通が上なのは商売上当然ですし、だからこそのイオンの態度でありシャープの態度なのですが、それが一般ユーザーの目には、イオン偉そう、シャープ良い人と映ってしまい、イオンがバッシングされてしまうのが怖いところです。

 本来イオンが守るべきなのは「消費者の味方」というブランドイメージでしょう。そのために「良いモノを安く提供する」ことがイオンの使命であり、オリジナル自社ブランドなどを開発したり、安い台湾メーカーの製品を販売しているのもその使命のため。だからシャープの行動は単に自社の利益を守るためのものであり、一般ユーザーの利益にはならない、一般ユーザーの利益を守るためにイオンはシャープの企業エゴと戦うのだ、とイオンは主張すべきだったのです。それもあくまでも低姿勢で謙虚に。

 この件でイオンに対して「もう行かない」などと感情的な不買運動を起こす人も現れそうでしたが、素早く和解してこれ以上のダメージを免れたイオン側の判断は正しかったと思います。泥沼化すればするほどメディアに面白おかしく書きたてられてしまいますし、ブランドイメージは大きく下がることになります。たださえ息子が民主党代表になってしまい、何かと目立つ御時世だけに、イオンとしては余計なトラブルは抱え込みたくなかったのでしょう。


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