幹事クリタのコーカイ日誌2004

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5月28日 ● 癒し系の男。

 Mっちゃんは前回自分が「冷たい人間」であるとみんなから指摘されたことが気になったようで、いま付き合っている3人の愛人に「オレって冷たい?」と質問をしたそうです。彼女たちの答えは一様に「ジコチューで優しさがない」だったそうです。ホントわかりやすい人です。誰でも即答するくらいジコチューなんです。

 しかしそうハッキリ言われてもMっちゃんは食い下がります。「じゃあ優しさってなんだよ?」と聞いたら「自己犠牲よ」と返ってきたとか。これにはさしものMっちゃんも「グサッときたんだよ。本当にその通りだよ。自己犠牲なんてしたことも考えたこともないもの」だそうです。

 確かにMっちゃんの辞書に「自己犠牲」なんて言葉はありません。自分が損をしてまで何かを人にするということは考えられませんし、そもそも「人のために」何かをしようという発想自体がありません。常に自分がどうしたいか、それだけを考えて彼は生きています。自分の本能に忠実、本能への忠誠心100%。欲望むき出しの人生です。

 「でもさ、じゃあなんでオレと付き合っているのかなと思って聞いたんだよ。そうしたらオレって“癒し系”なんだってさ。一緒にいると和むそうだよ」。なるほど、確かにこれもまた当たっています。僕たちがいかにMっちゃんが人間としてダメかわかっていながら、なぜそれでも一緒にいるかと言えば、彼といると確実に癒される部分があるのです。

 Mっちゃんは天然です。計算がありませんし、できません、しても間違います。だから一緒にいると楽です。考えていることがこれくらいわかりやすい人はなかなかいません。まるで幼稚園児並みのわかりやすさです。

 僕に言わせればMっちゃんはペットのようなものです。人間同士の付き合いの中で腹のさぐり合いをしなければならないストレスを、本能のままに生きるペットによって癒される、まさにそんな心理的効果がMっちゃんにはあります。

 もっとも、所詮ペットはペットなんで、本当の人間への愛情には優先しないんですけどね。あくまでも愛情の代償行為。しかし、それは「冷たい」Mっちゃんも望むところなのでうまくバランスが取れているようです。


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