幹事クリタのコーカイ日誌2004

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5月12日 ● 貴ノ浪引退。

 元大関の貴ノ浪が引退を発表しました。プロ野球と違って大相撲の場合は引退を発表したら即土俵に上がることはありませんから、貴ノ浪を土俵で見ることはもうないわけです。長年土俵を彩ってきた名物力士の引退だけに寂しい思いがします。

 貴ノ浪は一時期まさに大相撲界を牛耳った二子山(藤島)部屋の中核力士でした。若貴兄弟と並んで大関を張り、貴闘力、安芸乃島と5人で上位を独占していました。当時の土俵は二子山部屋対ハワイ勢という時代で、若貴兄弟のライバルが曙なら、貴ノ浪のライバルは武蔵丸。ともに大型力士同士で、いつも意地をぶつけ合うような相撲を見せてくれました。

 しかし、ひとり、またひとりとこの時代に活躍した力士は引退していきました。貴ノ浪自身も37場所も務めた大関から陥落し、最近では平幕の中位から下位を行ったりきたりという状態。それでも貴ノ浪が土俵に踏みとどまっている姿を見るだけで、大相撲のバブル時代を思い起こすことができたのですが。

 貴ノ浪の相撲はこれまでの常識を打ち破るものでした。受けるように立って相手を懐に呼び込む。差された腕を抱え込んで棒立ち。普通なら完全に負けている体勢なのですが、これが貴ノ浪のカタチだったのだから不思議な力士でした。この不利なはずの体勢から相手力士を抱え込んだまま強引に寄り切ったり投げたり。そのたびに解説者やアナウンサーは「貴ノ浪は懐が深いですねぇ」とバカのひとつ覚えのように言うのが笑えたものです。

 貴ノ浪が引退することで、かつての二子山部屋黄金時代を支えた力士は完全に姿を消します。二子山部屋が強すぎるから部屋別対抗をやめて総当たりにしようと言われたのも今は昔。二子山親方は隠居し、貴乃花は弟子を育てられず、若乃花は売れないタレント稼業。貴闘力と安芸乃島は部屋を出ていってしまいました。親方となる貴ノ浪の前途は多難ですが、現役時代同様に「懐の深さ」を見せてくれると良いのですが。


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