せっかくの花見気分が削がれてしまう雨の日曜日。しかし、スポーツは注目の対決が多く、ファンには嬉しい一日でした。

　まず期待の愛工大名電は惜敗。愛知県勢の15年振りの優勝は夢と散りました。しかし、春のセンバツの良いところは、また夏があること。負けても終わりではありません。済美との1点差負けの準優勝は悔しいですが、実力的に全国トップクラスであることが証明されたのですから、また夏に頑張って今度こそ大旗を勝ち取って欲しいところです。

　プロ野球では阪神と中日が開幕３連勝。阪神は強さを感じさせる順当な「横綱相撲」ですが、中日は勢いがありました。落合監督は意外と指揮官として強運なのかもという印象です。このまま阪神と中日のマッチレースになれば名古屋は盛り上がります。

　対してＪリーグの名古屋グランパスエイトは鹿島アントラーズに１点差負け。敵地でよく頑張ったと言えるかも知れませんが、せっかく秋田豊を獲得したアドバンテージを生かせずに負けたのは残念です。いつも磐田と鹿島に負けて優勝戦線から後退するグランパス。Ｊリーグの関脇・小結格で満足していてはいけません。

　楽しみなのは柔道。アテネ五輪の予選を兼ねた全日本選抜体重別選手権で、三連覇を狙う天才野村忠宏が代表の座を獲得しました。史上初の三連覇への道をまた一歩前進したわけですが、この快挙の確率はかなり高いと僕は見ています。

　またもうひとつの注目だった100kg級での井上康生と鈴木桂治の対決は、なんと鈴木が井上康の兄・井上智和に敗れるという波乱があって、井上康があっさり優勝してしまいました。これで井上康の五輪代表はほぼ確定的ですが、100kg超級の棟田康幸が負けたため、鈴木と棟田が最重量級の代表の座を巡って、また全日本で戦うことになりそうです。今回は精彩を欠いた両雄が最後にどんな戦いを見せるか楽しみです。